【日本政府観光局インバウンド最新リポート 37】急成長のスペイン市場 JNTOマドリード事務所 井上健二 所長

  • 2018年5月7日

訪日ハネムーンが人気

 2017年3月にJNTOマドリード事務所を開設し、訪日旅行プロモーションを本格的に開始したスペイン市場は、17年の訪日客数は9万9800人と現時点での規模はそれほど大きくないものの、この5年で2倍超となり、欧州重点市場の中でも急成長を遂げる注目の市場の一つである。

 その市場特性を概観すると、初訪日が7割以上の「訪日初心者マーケット」。旅行形態は個人旅行中心で、滞在日数2週間以上が4割を超える長期滞在型。男女とも30代が中核で、旅行目的は観光・レジャー中心、比較的ハネムーナーが多い。訪日の関心事は、日本食を食べること、伝統文化と最先端技術が融合した生活スタイルや日本の原風景の体感などである。1人当たりの旅行支出額が大きいうえ、訪日旅行の満足度・再訪意欲も極めて高いため、今後リピーターも期待できる有望市場といえる。

 開所から約1年間、JNTOマドリード事務所では、現地の関係機関、旅行会社やメディアとのネットワーク構築と併せて、官民一体となり、日本の観光魅力の発信・露出強化と旅行先としての日本の認知度向上に努めてきた。

 具体的には、来西する自治体、在外公館、国際交流基金などと連携した共同セミナーの開催に加え、スペイン全土3千社に及ぶ旅行会社ネットワークを持つスペイン旅行会社連盟(CEAV)と連携協定を締結。現地の旅行会社、航空会社の協力も得ながら、これまでリーチできていなかった地方都市でのセミナーをCEAVと共同で実施するなど、1年で20回を超える訪日観光セミナーを開催した。今後も自治体や地域DMOなどと、より一層連携を強める方針である。

 また、個人旅行が中心という市場特性を踏まえ、旅行情報サイトやOTAとの連携、航空会社との共同事業などの展開に加え、1日2回、SNSを通じて、現地目線での鮮度の高い日本の観光魅力の情報提供に努めてきた。さらに、旅行検討の際の情報源として大きな影響力を持つ「友人・家族等からの口コミ」対策として、当地の和食店や大学、日本語学校などを「訪日観光魅力情報発信サポート拠点」と位置づけ、観光パンフレットの配布など訪日観光のPRと口コミ効果の誘発にも取り組んでいる。

 さらに、他市場と比べて訪日客に占めるハネムーナーの割合が高いこと、ハネムーン候補地としての日本の人気が高まっていることから、ウエディング専門の雑誌やウェブを通じたPR、ハネムーンセミナーの実施などに努めている。

 これらの取り組みと併せて、今年2月に開始した、Enjoy my Japanグローバルキャンペーンをスペイン国内でも積極的に展開していく。また、18年が、日西外交関係樹立150周年として日本の露出、注目が高まっていることや、10月から日西を結ぶ直行便の増便が予定されていることを追い風として、オールジャパン体制での訪日プロモーションを強化し、訪日無関心層の取り込み、ひいては訪日需要全体の底上げを図っていく。

 
 
 
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