【旅館経営 タテ・ヨコ・ナナメ 201】抜け出す経営への原理原則7収益性の確保5 リョケン 代表取締役社長 佐野洋一


 収益性確保の出発点として、「高料金化政策」を推し進めていくとして、どんな行き方があるか? というわけで、検討いただくべき戦略方向を考えている。前回はこのうち二つ―「品質重視経営」と「個客重視戦略」について述べた。次に提案する戦略はこれである。

 (ⅲ)ターゲット転換戦略(誰に・どんな時に) 

 これまでとは異なるターゲットを考えてみよう。ここで言うターゲットとは、単に客層だけではない。「誰に(客層・エリア)」と「どんな時に(利用の目的・時季・場面)」の組み合わせ、いわば「顧客の内容」として捉える。「転換戦略」とは、それを大胆に入れ替えていくことを意味する。

 記念日ユース、赤ちゃん連れママ、また近ごろでは一人旅といったものがよくある。このほかにも、例えば「温泉を存分に堪能したい人の旅」なんていうものを打ち出し、そのための客室、提供サービスとともに滞在スタイルを提案して、新たな客層ニーズを生み出していくような手もあろう。

 さらに「エリア」要素をからませて、これまで来館の少なかった地域をターゲットに想定してみることも大いに意味がある。その典型的な例―あまり有名でない温泉地にある旅館。以前はほとんど地元客の宴会や保養目的での利用を中心にやってきたが、一気に遠く離れた大都市圏住民の、自然を求めるマーケットに着目し、そこからの集客に力を入れ出した途端、それだけで客単価が大幅にアップした―こういうことは、外国人旅行客においてはさらにドラスティックなことが起こり得る。

 もちろん、いずれの場合もいきなり「顧客の総入れ替え」などというわけにはいかないので、長い時間をかけて徐々に進めていく必要がある。しかしこのように、新しいエリアや絞り込んだ客層のニーズに応えることは、それを求める人にとって新鮮な、また他では得難い価値となるから、価格差はさしたる問題ではなくなる。こうして顧客構成を少しずつ変化させていくことで、これまではとても考えられなかった平均単価が実現できる可能性がある。

 (ⅳ)コンセプト転換戦略(何を)

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