【旅館経営 タテ・ヨコ・ナナメ 178】新型コロナウイルスへの経営対応66 原理原則5 人心の喚起 佐野洋一

  • 2022年12月19日

 引き続き、「人心の喚起」↓そのための「意欲を生みだす方策」について考える。
 (3)意欲を生みだす方策(続き)

 大半の旅館で、給与はおおむね「能力(とみなされるもの)×労働(=提供された労働時間)の対価)」として組み立てられている。あとは、職種によって付ける手当や役職手当といったもの、それに通勤手当や福利厚生の類―という形態が多いと思われるが、貴社ではいかがだろうか。ここに「意欲を生みだす方策」を盛り込む方法をいくつかご提案したい。

 (ⅷ)貢献度の給与反映

 給与体系の中に、従業員の貢献度や「頑張り」に報いる仕組みを導入することが考えられる。いわゆる給与査定とは切り離して、その時々の評価で付ける「メリハリ給与」だ。給与明細には、通常の賃金や諸手当とは別の枠を設けて、それと分かるようにして支給することがポイントである。奨励金のような性格なので、金額はそれほど大きくなくて良いと思うが、いずれにしても、そのための財源が新たに必要となる。単純に上乗せできれば問題ないが、そうでない場合は、ややシビアな話になるが、給与もしくは賞与支給総額のうちの何%かを、これの原資として割り当てるようにする。

 (ⅸ)表彰制度

 さらにこれを、より明確なかたちで、言い方を変えれば「もったいをつけて」行うのが、表彰制度である。これは毎月というよりも、1年ないし半年単位ぐらいが適当だろう。評価要素としては、業績への貢献、一定の成果に達した取り組み、社内のムードを良くしてくれる日ごろのふるまい、模範となる努力や尽力といったものが考えられる。

 またあえてテーマを絞って、会社が推進したい方針にのっとった賞として設けるのも方法である。例えば「ベストホスピタリティ賞」というような…。

 (ⅹ)格付け認証

 主に職務技能面を評価し、社内的な称号をもって格付けする。「マイスター制度」などがその典型であろう。また何段階かの階級を設けて☆の数で表すようなやり方もある。組織管理系統との齟齬(そご)を来してはまずいので、組織上の職位(いわゆる「役職」)と直接にはリンクせず、「名誉的地位」として位置付けることがポイントである。ただし子供ではないから、給与面でもしかるべき処遇が求められる。前の二つと違って、こちらは半ば恒久的な昇給とセットになるので、それなりに厳正な「審査」の仕組みを整える必要がある。社内だけで整備できない場合は、公的な資格や認証制度をうまく併用しよう。

 以上は、給与や賞与を意欲喚起に結び付ける方策だが、最後に肝心なことを付け加えたい。それは「認めてあげる」ということだ。

 例えば、お客さまからアンケートでのお褒めの言葉とか、感謝の手紙をいただいたようなとき、それらをどう扱っているだろうか。プラス評価給や表彰の考課材料とするのはもちろん結構だが、その前にまず、朝礼などの場でその事実を発表して、「○○さんのおかげ」と称え、感謝の気持ちを表すことである。また表にこそ出ないが、日ごろ「縁の下の力持ち」としてやってくれている人の頑張りを認めてあげる…こういうことが、どれほど本人の励みになるかしれないのである。

(リョケン代表取締役社長)  

    

 
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