【旅館経営 タテ・ヨコ・ナナメ 177】新型コロナウイルスへの経営対応64 原理原則5 人心の喚起 佐野洋一

  • 2022年11月21日

 状況がかなり変わってきた。10・11月は全国的にかなり忙しくなった旅館が多いようだ。「第8波」の足音が気掛かりではあるが、外国人旅行客も急増するなど、本格的回復フェーズにさしかかっている感がある。

 コロナ禍突入以来、本コラムは「新型コロナウイルスへの経営対応」という大きな枠の中で話を進めてきた。その一環として、「人心の喚起」↓そのための「意欲を生みだす方策」と展開してきているわけだが、これも今のこの状況に合わせたものとして提案していきたいと思う。

 (3)意欲を生みだす方策(続き)

 (ⅴ)全社運動をやる

 以前にも書いたことだが、「ポストコロナ」に向けての体質は、今のうちに作り上げておきたい。今、多くの旅館でかなり急激に忙しくなっているかと思うが、これにただ押し流されていくのではなく、こういうフェーズだからこそ、そこに「体質改善の苗」を植え付けていくことを考えたい。

 体質改善の苗―その気になればいろいろな課題分野があるが、「意欲を生みだす」ねらいにからむものとしておすすめしたいのが「全社運動」だ。

 それは、今のこの状況の中で、何か新たな全社方針を掲げ、スローガンを作って取り組んでいくことである。この場合の運動テーマは、次のような要件を備えることが望ましい。

 ・わかりやすいもの

 ・従業員全員が共通して取り組めるもの

 ・何らかの経営向上に直結し、その手応えが実感できるもの

 例えばこんなのはいかがだろうか?―。

 「もう一言、会話運動」。

 お客さまや従業員同士、あるいは業者さんに対して、「おはようございます」とか「いらっしゃいませ」といった型通りの挨拶だけでなく、「もう一言の会話」を加えることで一歩踏み込んだ人間関係を作っていく。この運動が実を結べば、商売として得られる見返りも大きいはずだ。そして、今この時期に始める意味が大きいと思う。

 (ⅵ)KPIで目標を設定する

 KPIは「重要業績評価指標」と訳されるものだが、かみくだいていえば、「全体の業績をわかりやすい形に落とし込んだ物差し」である。会社全体として達成すべき目標があるとき、それを実現する上でカギとなる要素(=KPI)をいくつか定め、そこにも目標を設定する。業種によっては「1日当たり営業訪問件数」「不良返品発生率」といったものだったりする。旅館・ホテルの場合、RevPARとかADRなどがまず考えられるが、例えば「アンケート評価点数」「お客さまからのお褒めの言葉件数」といったものでもよい。また部門ごとのKPIがあってもよいだろう。売店なら「宿泊客の購入率」「購入客単価」といった具合だ。

 そもそも、目標指標など設定したことがないというところも多かろうが、ここで心機一転、「コロナ雌伏からのリベンジ」に乗り出す意味で、取り入れてみてはいかがだろうか。そしてその達成度合いを確認し、認める場を作って、意欲づくりにも生かしていくのだ。

 今はまだ情勢が日々変わるので、評価期間は1カ月程度のタームとして、目標とするKPI数字も柔軟に見直していくのがよい。

(リョケン代表取締役社長)     

  

 
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