
●ヒンドゥー教
インド国民の8割を占めるヒンドゥー教も、食事に関しては厳しい宗教です。特に、牛は神聖なものとして扱われ、食べるなどはもっての外です。肉そのものだけでなく、だしや脂肪が使われている物も厳禁です。ブイヨン、ゼラチン、バター、ラードなども調理に使用できません。豚は不浄なものとして嫌われます。魚も禁止です。野菜も種類によっては使えません。ニンニク、ニラ、ラッキョウ、玉ネギ、アサツキなどです。匂いが強いことから、興奮剤の一種とみなされ、体内の臓器に負担をかける物として口にしません。
●ベジタリアン
ベジタリアンは菜食主義者と訳すので、野菜だけを食べる人の総称のように思われがちですが、正確に言えば、そのうちの一つです。 他にもタイプがあります。
まず、ベジタリアン。その名の通り菜食主義者で、肉と魚は一切口にしません。ただし、牛乳や卵などは食べます。ドイツ・イタリア・イギリス・スウェーデン・アメリカなどでは人口の3~10%がベジタリアンといわれています。
次に、よく似たのがペスクタリアンです。肉と言える物は一切食べませんが、魚介類を食べるところがベジタリアンと異なります。 ベジタリアンとペスクタリアンよりさらに徹底しているのがヴィーガンです。肉や魚はもちろんのこと、動物性食品は一切口にしません。牛乳、乳製品、卵、蜂蜜、ゼリーなども食べません。
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■日本ホテルレストラン経営研究所=ホスピタリティ業界(旅館、ホテル、レストラン、ブライダル、観光、介護)の人材育成と国際交流へ貢献することを目的とするNPO法人。同研究所の大谷晃理事長、鈴木はるみ上席研究員が監修する書籍「『旅館ホテル』のおもてなし」が星雲社から発売中。問い合わせは同社TEL03(3868)3275。
(観光経済新聞25年3月17日号掲載コラム)