【旅館ホテルのおもてなし 75】箸の種類とマナー3 大谷 晃


 ●箸の機能

 洋食でのカトラリーは「切る」「刺す」「すくう」だけの機能しか持ちませんが、箸は違います。2本を組み合わせた「一膳」でさまざまな働きをします。「切る」「とる」「すくう」「はさむ」「つまむ」「のせる」「はがす」「さく」「くるむ」「はこぶ」「おさえる」「ほぐす」の12の機能を持っています。

 ●箸の禁忌(マナー違反)

 箸の扱いにはマナー違反とされることがいろいろあります。

 ・寄せ箸―箸で器を引き寄せたり、動かしたりすること。

 ・刺し箸―箸で料理を突き刺して食べること。

 ・ねぶり箸―箸先をなめたり、箸先を口に入れたままにすること。

 ・受け箸―箸を手に持ったままご飯のお代わりなどを受け取る。

 ・迷い箸―どれを食べようかと、箸先を皿の上であちこち動かす。

 ・握り箸―箸を握って持つこと。攻撃の意味にとられます。

 ・込み箸―口いっぱいに頬ばり、さらに箸で押し込むこと。

 ・涙箸―箸先から料理のつゆを垂らしながら口元へ運ぶこと。

 ・ほじり箸―料理の中から好きな物をほじくり出して食べること。

 ・とんとん箸―お皿の中で箸を立て、とんとんとそろえること。

 ・渡し箸―手元箸を皿の上に渡して置くこと。

 ・人指し箸―箸で人や物を指すこと。

 ・ちぎり箸―ナイフとフォークのように箸を1本ずつ持ち、料理を切ること。

 ・膳越し―ご飯や椀(わん)の向こうに置かれた料理を、器を使わず直接箸で取ること。

 ・移し箸―箸から箸へと料理を渡すこと。

 ・叩き箸―箸で器などを叩くこと。

   *    *

 ■日本ホテルレストラン経営研究所=ホスピタリティ業界(旅館、ホテル、レストラン、ブライダル、観光、介護)の人材育成と国際交流へ貢献することを目的とするNPO法人。同研究所の大谷晃理事長、鈴木はるみ上席研究員が監修する書籍「『旅館ホテル』のおもてなし」が星雲社から発売中。問い合わせは同社TEL03(3868)3275。

 
新聞ご購読のお申し込み

注目のコンテンツ

第37回「にっぽんの温泉100選」発表!(2023年12月18日号発表)

  • 1位草津、2位下呂、3位道後

2023年度「5つ星の宿」発表!(2023年12月18日号発表)

  • 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」「5つ星の宿プラチナ」は?

第37回にっぽんの温泉100選「投票理由別ランキング ベスト100」(2024年1月1日号発表)

  • 「雰囲気」「見所・レジャー&体験」「泉質」「郷土料理・ご当地グルメ」の各カテゴリ別ランキング・ベスト100を発表!

2023 年度人気温泉旅館ホテル250選「投票理由別ランキング ベスト100」(2024年1月22日号発表)

  • 「料理」「接客」「温泉・浴場」「施設」「雰囲気」のベスト100軒