●箸の機能
洋食でのカトラリーは「切る」「刺す」「すくう」だけの機能しか持ちませんが、箸は違います。2本を組み合わせた「一膳」でさまざまな働きをします。「切る」「とる」「すくう」「はさむ」「つまむ」「のせる」「はがす」「さく」「くるむ」「はこぶ」「おさえる」「ほぐす」の12の機能を持っています。
●箸の禁忌(マナー違反)
箸の扱いにはマナー違反とされることがいろいろあります。
・寄せ箸―箸で器を引き寄せたり、動かしたりすること。
・刺し箸―箸で料理を突き刺して食べること。
・ねぶり箸―箸先をなめたり、箸先を口に入れたままにすること。
・受け箸―箸を手に持ったままご飯のお代わりなどを受け取る。
・迷い箸―どれを食べようかと、箸先を皿の上であちこち動かす。
・握り箸―箸を握って持つこと。攻撃の意味にとられます。
・込み箸―口いっぱいに頬ばり、さらに箸で押し込むこと。
・涙箸―箸先から料理のつゆを垂らしながら口元へ運ぶこと。
・ほじり箸―料理の中から好きな物をほじくり出して食べること。
・とんとん箸―お皿の中で箸を立て、とんとんとそろえること。
・渡し箸―手元箸を皿の上に渡して置くこと。
・人指し箸―箸で人や物を指すこと。
・ちぎり箸―ナイフとフォークのように箸を1本ずつ持ち、料理を切ること。
・膳越し―ご飯や椀(わん)の向こうに置かれた料理を、器を使わず直接箸で取ること。
・移し箸―箸から箸へと料理を渡すこと。
・叩き箸―箸で器などを叩くこと。
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■日本ホテルレストラン経営研究所=ホスピタリティ業界(旅館、ホテル、レストラン、ブライダル、観光、介護)の人材育成と国際交流へ貢献することを目的とするNPO法人。同研究所の大谷晃理事長、鈴木はるみ上席研究員が監修する書籍「『旅館ホテル』のおもてなし」が星雲社から発売中。問い合わせは同社TEL03(3868)3275。