【旅館ホテルのおもてなし 35】耳の不自由なお客さま2 大谷 晃


 ●お出迎え

 お辞儀だけでなく、「いらっしゃいませ」「おはようございます」程度の手話は覚えておくことが望まれます。手話ができないときはジェスチャーや口をはっきりと動かすことでコミュニケーションを図りましょう。仲居はつい同行者に話しかけがちですが、あくまでも主役は耳の不自由なお客さまですから、お声がけはすべてお客さまに対して行います。

 ●チェックイン

 手話のできるフロント係がいれば一番良いのですが、いない場合は筆談で行います。

 ●お部屋へのご案内

 手話ができない場合は、メモに書いてコミュニケーションをとります。また、館内の説明は、館内図を用い、文字を見ていただきながらご案内します。

 ●お部屋でのご案内

 お客さまによってコミュニケーションの手段が異なります。筆談、手話、読話など、どれをお望みか伺ってからにします。また、補聴器のお客さまには、「通常の会話でよろしいでしょうか。それとももっと大きな声のほうがよろしいですか」と先に伺い、なるべく雑音の入らない静かな場所で応対するようにします。

 館内施設や設備をご案内するときは、「ご利用案内」を一読していただいてから、ジェスチャーや筆談などで補足します。

 お声がけは、必ず前に回ってから行うのが鉄則です。

 話が確実に通じているかは、表情から判断します。黙っていらっしゃる場合は話が通じていない可能性があります。もう一度ゆっくりと繰り返すか、別の方法を選択します。

 ●チェックアウト・お見送り

 身障者の方すべてに通じますが、決して急かしてはいけません。お部屋でチェックアウトをしてもらうことも一つの方法です。

 「ありがとうございました」「また、お越しください」程度の手話は覚えておくことが望ましいです。

  *    *

 ■日本ホテルレストラン経営研究所=ホスピタリティ業界(旅館、ホテル、レストラン、ブライダル、観光、介護)の人材育成と国際交流へ貢献することを目的とするNPO法人。同研究所の大谷晃理事長、鈴木はるみ上席研究員が監修する書籍「『旅館ホテル』のおもてなし」が星雲社から発売中。問い合わせは同社TEL03(3868)3275。
       

 
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