【旅館ホテルのおもてなし 23】ご予約からお見送りまで10 大谷 晃


 お土産

 お部屋で提供した日本茶、お菓子以外にも、ご当地自慢の産物などを、館内で販売していることを伝えます。スタッフ全員による、いわゆる“全員営業”することが大事です。

 お土産を気に入っていただくと、もらった方や他の方にもお勧めしてもらえる可能性があります。リピート客になっていただくことにもつながるので、お土産は戦略的にも重要なアイテムです。お客さまに喜んでいただけるお土産としては、地元名産の日本茶、お菓子、漬物、魚の干物、日本酒、焼酎、ワイン、果物、地元野菜、かまぼこ、のり、海藻類、民芸品など。食べ物の場合、日持ちする物が人気です。

 館内と周辺のご案内

 ごあいさつがすんだら、館内の細かい説明をします。この時大事なのは、一気にしゃべるのではなく、きちんと聞いていただけているかに気を配りながら行うことです。

 これまでの会話の中からお客さまのご予定などを聞き取り、お客さまがお知りになりたいと思われる交通機関、道路事情、天候などをご案内します。地元の人しか知らない「インスタ映え」する観光スポットやおいしい食事処、映画やテレビのロケに使われた場所、絶景の展望ポイントなどをお伝えすると、喜ばれます。

 ご用意する物

 浴衣と羽織はお客さまの身長を参考にご用意します。サイズは一般的に大、中、小(あるいはL、M、S)。最近は男女別に幅広いサイズの浴衣をご用意していたり、枕も、そばがら、ウレタン、羽毛などをそろえている旅館ホテルもあります。スリッパや下駄もお客さまの体型で判断してご用意するところもあります。

 持ち帰っていい物・いけない物

 お客さまの中には、浴衣や羽織を持ち帰る方がいますが、基本は持ち帰ってはいけません。バスタオルや厚手のタオルも同様です。 名前が入った薄手の手ぬぐいタオルはお持ち帰りできます。他に持ち帰っていい物は、個包装のシャンプー類、せっけん、歯ブラシ、かみそり、くし、シャワーキャップ、小さな化粧品セットなどのアメニティグッズです。

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 ■日本ホテルレストラン経営研究所=ホスピタリティ業界(旅館、ホテル、レストラン、ブライダル、観光、介護)の人材育成と国際交流へ貢献することを目的とするNPO法人。同研究所の大谷晃理事長、鈴木はるみ上席研究員が監修する書籍「『旅館ホテル』のおもてなし」が星雲社から発売中。問い合わせは同社TEL03(3868)3275。


      

 
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