お客さまが何をお望みか、いち早く知ることが大事なポイントです。お客さまが何もおっしゃらない状態を、ご希望やご要望がないのだなと受け取るようではいけません。やさしい想像力とは「察する」ことです。お客さまの言葉、動作、表情などからお客さまのご要望を読み取ります。
●頼みたくなる雰囲気
もちろんお客さまからご希望やご要望を言っていただけるのであれば、それにこしたことはありません。そのためには、「この女将や仲居なら、話しても聞いてくれそうだ」という雰囲気を持っていることが大切です。大事なのが、笑顔。笑顔の女将や仲居には誰もが話しかけたくなり、なんでも言ってみようという気持ちになるものです。
もちろん、その笑顔は心からのものであることです。表面だけの笑顔では、お客さまはそれを敏感に感じ取って、「依頼してみよう」という気持ちにはなりません。
感謝の気持ちを持つ
数ある旅館ホテルの中から自館を選んでくださったことにまず感謝しましょう。心からの感謝の気持ちはお客さまに伝わります。
心を込めたごあいさつ
あいさつも心がこもったものでなければ意味がありません。軽い会釈と共に、「おはようございます」「よくお休みになれましたか」など、その場にふさわしいあいさつを心を込めて行いましょう。
身だしなみに注意
接客業で大事なのが身だしなみです。着ている物がだらしなかったり乱れていたりすると、お客さまはその女将や仲居を信頼しません。頭髪、服装、アクセサリー、化粧、笑顔、表情など、常に鏡を見てチェックしましょう。
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■日本ホテルレストラン経営研究所=ホスピタリティ業界(旅館、ホテル、レストラン、ブライダル、観光、介護)の人材育成と国際交流へ貢献することを目的とするNPO法人。同研究所の大谷晃理事長、鈴木はるみ上席研究員が監修する書籍「『旅館ホテル』のおもてなし」が星雲社から発売中。問い合わせは同社TEL03(3868)3275。