【新年あいさつ】外国人へのおもてなし進化 国際観光日本レストラン協会会長 安田眞一

  • 2019年1月6日

 新年明けましておめでとうございます。本年は、今上天皇陛下の生前御退位、皇太子殿下の新天皇御即位がございます。平成最後の慶事をことほぎ、謹んでお喜び申し上げます。

 ラグビー・ワールドカップ2019の開催が間近となり、2020東京オリンピック・パラリンピックの開催も570日を切りました。25年には大阪万博開催も決まり、いよいよ「日本の世紀」が始まろうとしております。

 小西美術工藝社社長のデービッド・アトキンソン氏が「新・観光立国論」や「世界一訪れたい日本のつくりかた」を著し、一躍日本の観光に携わる方々のバイブルとなっております。70年代後半、かつて日下公人氏が「新・文化産業論」を著した時と同様に、日本経済全体に絶大な影響力を及ぼしております。

 外国人に対する「おもてなし」の対策、接客はどうあるべきか。レストランでは外国語メニューが当たり前になり、外国語による接客、接遇、教育など皆さまも着々と準備を進めていらっしゃることと思います。

 最近、「ポケトーク」という双方向の音声自動通訳機が使用され、日本語で話した言葉を瞬時に外国語に翻訳してくれる携帯型で気軽な通訳機としての役割を担ってくれています。外国の方が母国語で話せば、瞬時に日本語へと翻訳してもらえるわけです。74カ国語に対応しており、夢のような話が現実となっています。東京オリンピック・パラリンピックという目標に向かい、受付・案内ロボットなどのジャンルでも目覚ましい技術革新が始まっており、外国語に弱い日本人にとっては、鬼に金棒の救いの神です。

 レストランにおけるおもてなしのプロとしては、外国語はつたなくとも心に届く言葉と笑顔で、日本に行ったら「あの人が迎えてくれる、あの店に行きたい」と思っていただけることが理想です。言語の壁を超えて愛されるコミュニケーション能力が問われる時代となりました。

 小生、最近「究極の心に響くおもてなし」を体験しました。東南アジア諸国を船で巡り、最終寄港地が東京という、アメリカ人のグルメツアー最後の夕食が、新橋の「金田中」で開かれました。幸いにも小生も参加させていただき、日本の芸妓(げいぎ)さんがこんなにも外国人に人気があるということを目の当たりにしました。芸妓さんによる型通りの舞が終わり席に戻ると「一緒に写真を撮りたい」と行列ができるほどでした。しかも男性だけでなく、奥さま方がはしゃいで写真を撮りたがっていらっしゃいました。

 宴(うたげ)も終わりに近づいたころ、日本人の引率役の幹事が、外国人の方々を舞台に招き、何と伊東四朗氏や小松政夫氏が歌い大ヒットした「電線音頭」のレッスンが始まりました。「チュチュンがチュン! 電線にスズメが3羽停まってた! それを猟師がテッポで撃ってさ、煮てさ、焼いてさ、食ってさ、ヨイヨイヨイヨイ…」という日本人も大好きな音頭です。外国人と日本人が嬉々として乱舞する大饗宴になりました。これも一つの日本文化と異文化との一座建立ではないでしょうか。

 アトキンソン氏の著書にも、自然やスポーツ、文化を文部科学省から独立させ、観光庁を格上げして「観光省」の所管にすべきとの提言があります。政府は、20年の訪日外国人観光客の目標は4千万人、30年には6千万人とうたった以上、十分な予算措置を取った上での観光資源の有効活用は必須です。

 一例を挙げれば16年、赤坂芸妓の赤坂育子姉さんが旭日双光章に輝いたことは、長年にわたる精進のご苦労が報われたという花柳界全体の慶事でした。京都の「都をどり」や新橋の「東をどり」、赤坂の「赤坂をどり」は年々人気が上がり、切符がなかなか取れない盛況ぶりです。

 小生は無形文化財としての芸妓の役割を見直すべき時ではないかと考えます。過去の「富士山・芸者」の古いイメージは払拭(ふっしょく)すべきです。日本の伝統文化である日本舞踊はもちろんですが、小唄、長唄などの謡、三味線、琴、鼓、太鼓、茶道、華道、立ち居振る舞い、しつけなど、芸妓さんの修業は大変で厳しく、しかも着物や帯に掛かる費用は膨大なものがあります。過去には旦那衆が面倒を見ていたわけですが、時代も変わり旦那衆自体がいなくなった現代では、政府の伝統文化振興の意味からも、貴重な無形文化財への助成として、芸妓に対する手厚い予算措置をしっかり取るべきであると考えます。

 わが国際観光日本レストラン協会も、来年で60周年を迎えます。国土交通省観光庁の所管でございますが、食を通じて日本の観光の最前線の雄として、「心に響くおもてなし」をモットーに、安全で安心な、おいしい食文化の推進役として頑張ってまいる所存でございます。皆さまのますますのご支援、ご鞭撻を、伏してお願い申し上げる次第でございます。

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