【新年あいさつ】人口減少時代での宿泊団体の役割 全日本シティホテル連盟会長 清水嗣能


 平成という時代から新しい時代になろうとしている昨今、日本は人口が減少傾向にあり、地方によって異なるものの、2040年には15年に比べ人口が8割程度になってしまうことがはっきりしています。しかも、15歳から65歳までの生産年齢人口がより多く減少します。人口予測は「すでに起こっている未来」といわれるほかありません。あるアナリストは、これを破壊的とまで表現しています。このままいきますと、働く人がどんどん少なくなり、どれだけ外国人客が増えようとも、働き手がなくて営業が続けられず、いわゆる人手不足倒産が増加していくわけです。

 そうした中、ホテル爆増といわれ、大都市を中心に従業員の引き抜きなども横行するようになってきます。われわれ宿泊業界が人手不足だというと、勢い給料を上げればいいとも言われますが、そうすると今すでに在籍している従業員の給料も上げることになり、経営圧迫要因となります。宿泊業界の人件費率は30%以内が目安とされ、それを超えるとムダが多いか売り上げが少ないということです。今後、ムダをなくしつつ人件費を上げていく必要がありますが、それに伴い売り上げを上げていかなければなりません。そうして宿泊業が他業種と比べても遜色ない給与体系に持っていき、業界全体として生産性を上げていく覚悟を決める年になりそうです。

 全日本シティホテル連盟では、今後、生産性を高めるため、売り上げを高め、給料を上げられるよう、業界としてまた個々のホテル経営者として、今なすべきことのビジョンが何かを明確化して、会員を鼓舞し、研修の機会を設け、観光立国実現のお役に立てるようまい進してゆく所存です。

 
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