【岐路 バスと観光新たな関係31】高速ツアーバス誕生から終焉まで1 成定竜一

  • 2017年2月4日

 先週ご紹介した、東京と大阪を結ぶ夜行バス商品。これが後に高速ツアーバスと呼ばれることになる。
 この商品の主催会社(旅行業法改正後は企画実施会社)であるオリオンツアーは、大都市発のスキーツアーを得意とする中堅旅行会社(ホールセラー)である。

 当時、貸し切りバスの閑散期に当たる冬場は、運賃(チャーター代)が低下する傾向にあった。そこで、それらを安く手配し、東京や大阪から長野県などのスキー場に直行するバスツアーを多く設定していたのだ。

 往復のバスに宿泊やリフト券をセットにして、旅行者にはパッケージツアーとして販売される主催旅行(法改正後は募集型企画旅行)である。だが、オペレーションから見ると、温泉などへの通常のバスツアーと少し異なる点がある。

 通常のツアーであれば出発から帰着まで1台のバスで案内するが、スキーツアーの場合、滞在期間が人によりバラバラなので、バスそのものは毎日、発地とスキー場の間を往復し、希望の旅程に合わせて座席を手配するという方法をとることが多い。また、スキー場関係者らの移動ニーズに応えるため、バス単品の商品も設定される。これらを総称して、一般に「スキーバス」と呼ばれる。

 ところが、レジャーの多様化により、スキー人口は(スノーボードを合わせても)減少し、この頃にはピーク(1993年。年間1860万人)の約半分まで落ち込んでいたと言われる。

 また、高速道路の延伸やRV車普及などにより、スキー場まで自家用車で向かう例も増えた。オリオンツアーをはじめとするスキーツアー各社の売り上げは低下していた。

 一方、2001年にはユニバーサル・スタジオ・ジャパンと東京ディズニーシーが相次いで開業した。スキーツアー各社は、生き残りをかけてテーマパークへの直行バス商品を企画し始めた。それらの商品が、後にバス業界で大きな論争になることなど、当時の彼らは少しも想像していなかった。

 (高速バスマーケティング研究所代表)

170204b

関連する記事

モバイルビジネスで見逃せない注意事項トップ 5 日々の生活でスマートフォンがなくてはならない存在になりつつある今、ビジネスにおいて「顧客エンゲージメント」は重要な転換期に…

続きを読む

政府は「骨太の方針2018」を掲げ、現行の「専門的・技術的な外国人材」の受け入れ制度を拡充し、「一定の専門性・技能を有し、即戦力となる外国人材」の就労を目的とした新たな在…

続きを読む

バス乗務員不足解消に向けて、女性と若年層に象徴される新しい「なり手」の創出に向けては、個別の事業者の努力には限界がある。人口構成の変化により国全体が人手不足の状態にある中…

続きを読む

新聞ご購読のお申込み メルマガ申し込み

注目のコンテンツ

観光経済新聞の人材紹介

  • 旅館・ホテルの人材不足のお悩み無料相談はこちら

17年度「部門別・旅館ホテル100選」(2018年1月20日発表)

  • 「料理」「サービス」「風呂」「施設」「雰囲気」のベスト100軒

第31回「にっぽんの温泉100選・選んだ理由別ベスト100」(2018年1月1日発表)

  • 「雰囲気」「泉質」「見所・体験の充実」「郷土の食文化」の各カテゴリ別ランキング・ベスト100を発表!

第31回「にっぽんの温泉100選」発表!(2017年12月16日発表)

  • 1位草津、2位下呂、3位別府八湯

2017年度「5つ星の宿」発表!(2017年12月16日発表)

  • 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」は?
Visit Us On FacebookVisit Us On TwitterVisit Us On InstagramVisit Us On Youtube