【ポスト・コロナ時代に向けた宿泊施設の取り組み7】旅の目的変化 観光品質認証協会統括理事・サクラクオリティマネジメント代表取締役 北村剛史


 今回のパンデミックは、旅行のあり方にも大きな影響を与えるものと考えられます。安全安心に関するニーズの大幅な拡大や個別サービスアイテムに対するニーズ変化等はすでに前回までにご紹介しました。

 今回はパンデミックが旅行の目的にどのような影響を与えているのかについて、弊社が実施したアンケート調査結果をご紹介したいと思います。

 本アンケートでは、これまでの旅行の目的と比較し、今後どのような目的で旅行をしたいと考えているのかを調べてみました(全国男女200名に対するインターネットアンケート調査、2020年5月、弊社調べ)。

 調査では設問の各目的に対して「強くそう思う」から「全くそう思わない」の7段階設評価を採用し、特にニーズが強いと思われる、「強くそう思う」及び「そう思う」の合計回答割合を以下整理してみます。

 低下目的群は、これまでから目的として重視されていたものが多く、上昇目的群はこれまでそれ程大きくクローズアップされていなかったものが多いようです。

 上昇目的群を見てみますと(1)感染対策上の自粛生活の中でこれまでできなかったこと、(2)外的な報酬や評価に動機づけられたものというよりも、むしろ個々人の心理的喜びが動機付けとなっている内発的なものが多いこと」と整理することができそうです。

 もちろん低下目的群は依然として重視している人が多い内容であることから、今後もそれら目的群への対応も十分にケアする必要がありますが、特に今回、個々人のパーソナリティとの関係も指摘される内発的動機付けに関連するような目的が上昇していることから、旅の目的を心理的な内面から見出す傾向が強化されており、旅の目的という観点から考えれば、これまで以上に成熟した旅行市場に変化した可能性もあります。またその流れは内発的動機に持続性が見込まれることから一時的なものではない大きなパラダイムシフトが起こっているのかもしれません。

 
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