【地方再生・創生論 292】がん検診の受診者増やそう 松浪健四郎


松浪氏

 私は立派ながん患者である。最初は前立腺がん、次いで悪性リンパ腫、それで終わらずにがんの横綱たる膵臓(すいぞう)がん。ここでひと休みしたとたん、大腸がん。計4回のがん宣告を医師から受けた生身ゆえ、少々のことで驚かなくなったが、全て早期発見であった。ラッキーだったと思うが、定期的に精密検査を受けた結果、命をつなぐことができたのだ。

 11年間、私は衆議院議員を務めさせていただいたが、毎日が多忙であった。議会、委員会、各行事、派閥の仕事、選挙区行事等、年中無休で病院に通って精密検査を受ける時間的余裕はなかった。平成8年の総選挙で初当選したのは115名、菅義偉元総理と私はその1人であるが、すでに20名が死去している。多忙すぎて病院へ行けなかったのか、17%が同期の総理誕生を目にすることができなかった。

 最近では、新型コロナウイルス感染症の流行で、がん検診を休止する自治体や団体が増加している。3密の問題もあるが、感染症を恐れて、足が検診場へ向かないらしい。そこで、感染防止対策を施した上で、がん検診を徐々に再開させる自治体が散見できるのだが、医療機関に足を運ぶのをためらう人が多く、受診者数は回復しないのだ。

 がんは、もはや死と直結した病気ではなくなっている。私の体験からいえば、「早期発見」であれば、それほどの心配は無用。ともかくコロナ流行前のごとく検診を行い、受診者数を増加させねばならない。そのために各自治体は警鐘を打ち鳴らし、「早期発見」のために住民を医療機関に足を向けるように説き続けなければならない。

 日本対がん協会(東京)は、2021年6月、自治体などから対策型検診を受託する全国の支部に、がん検診受診者数について質問した。1、2月はほぼ例年通りだったが、3月はやや低迷。流行がピークを迎えた4月は例年の約19万人に対してわずか3万人、例年約45万人が受診する5月も3万7千人余りに激減した(毎日新聞)という。これでは「早期発見」は困難で、がん患者がさらに増える心配が出てくる。

 コロナ禍のリスクは大きく、大腸がんの場合、検診で見つかる60%は早期がんで、内視鏡による切除ですむ。が、自覚症状が出て病院で受診して見つかる大腸がんの80%は進行がん、面倒くさいことになる。日頃からの検診がいかに大切か、命がかかっていることを自覚させるように各自治体は熱心に住民に伝えなければならない。

 大腸がんや胃がん、肺がん、その他のがんも自覚症状が出てから病院へ行っても、それは大抵は相当進行しているがんと決めつけてよい。私は4カ所のがんを体験したが、一度も自覚症状はなく「早期発見」であった。膵臓がんは恐い。自覚症状が出たならばステージ3か4、ほぼ手術はできない。腰が痛い、背中が痛いという症状は、膵臓がんの特徴らしいが、相当進んでいると決めつけてよい。

 私の場合、病院の検診でエコーによって発見していただいた。セカンドオピニオンではないが、2人の医師がチェックして下さった。膵臓がんの場合、糖尿病患者がかかる場合が多いそうで、私もその患者ゆえ早期の発見につながり、命びろいできたと思っている。仲の良かった横綱千代の富士(元九重親方)も膵臓がんだった。「早期発見」の一言に尽きる。

 自治体のがん検診の対象は、胃がん、肺がん、大腸がん、乳がん、子宮頸がんなどに限られるが、「精密検査」を受診するようにと指摘されたならば、大病院でCT検査等を受診するに越したことがない。医師に肝臓がんや膵臓がんの心配も伝えるべきであろう。

 がんの進行の遅いものもあるが、意外に早いがんもある。私の大腸がんは、3年前にはなかったのに、立派に育っていたのには驚いた。が、内視鏡で切除、1週間の入院で事なきを得た。病院嫌いだった私は、熱心に毎月、検診を受けている。一病息災、糖尿病にかかってから次々にがんが発見された。こまめに病院へ行くことだ。

 
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