【地方再生・創生論 239】人々は新しい観光を模索している 松浪健四郎

  • 2021年11月25日

松浪氏

 観光地は、有名な古跡や温泉地だけではなく、幅が広くて定義付けできない時代を迎えている。目を閉じて己の故郷である大阪府泉佐野市を想起してみると、なかなか立派な観光地ではないかと満悦する。素人の視点や目線からすれば、旅行会社等の企画するプランよりも面白いかもしれないし、どの自治体も観光地に思えてくる。新しい観光地の発掘となる可能性もあり、新しい自治体の魅力となろう。

 泉佐野市には、関西国際空港(関空)がある。沖合5キロを埋め立てた海上空港で、さまざまな特徴ある施設もあって見学する価値がある。タオルのメッカで「泉州タオル」の産地だ。染工場をはじめ、製品にするまでのいろいろな工程の工場がある。保存されている古民家もあれば、伝統的な酒蔵だってある。魚市場や農産物を売る店もあり、その活気あふれる雰囲気に元気をもらうこともできる。国宝の塔もつ神社で参拝後、犬鳴温泉に行く。郷土料理に温泉、そして宿泊する。

 1泊2日の旅行日程を作るとしたなら、どこの地域でもできるのではあるまいか。旅行というのは、名だたる名跡があったり有名な景色がなければ行く価値がないと決めつけられてきたかもしれないが、時代は変わったのだ。各自治体が、その地域が独自のプランを企画して、それを売り込む時代を迎えている。すでに既成の旅行会社の有名地を巡るプランに対し、一般人は食傷気味である現実を知るべし。人々は、新しい観光を模索している。

 観光経済新聞9月18日号に「学生の企画コンテスト」なる日本旅行の主催するイベントの記事があった。「若者から見たせとうちエリアへの観光誘致による地域活性化から地域の魅力再発見」をテーマにし、旅行商品の企画を募集するというもの。大学生ならではの目線を取り入れた香川大の学生による「よくばり女子に贈る香川旅!」が、最優秀作品となり商品化されるという。面白い企画で、女子大生の目線から発した旅行に魅力を覚える。「うどんだけじゃない新しい香川の旅」だ。

 観光には目線が大切であることが理解できる。旅行する人たちの年齢層、興味、好奇心等によって行き先が異なる。あまり知られていない地域に旅すれば、その旅行談は新鮮であろう。ご当地グルメも刺激的であろうし、私たちの「食」に関しての興味は奥が深い。その地域住民は、その地域の魅力を一番よく知っている。この人たちから旅行プランを募り、地域の再発見に努める必要がある。

 どの自治体にも観光協会がある。しかし、観光協会の存在感を漂わせる企画が少なく、名ばかりの団体に陥っている。その責任は、自治体にあり、どんどん注文を出すべきだ。年中行事だけをこなす観光協会、観光客の誘致を考えるべく地域の魅力を発信してほしい。遠方から友達が来たり、親族がやって来た折、どこに案内するのか、どんな料理を提供するのか、それらは観光に通じている。その地には、歴史的な特徴ある場所や品、料理がある。また、体験したことのないコンテンツも地方にはある。自治体やその地域は、観光に関する研究が不足していて、最初から諦めてはいまいか。無名地ゆえに新鮮さと未知の魅力があるのだ。自治体の行動、やる気に期待したい。

 全国に鉄道ファンが多数いるごとく、各種のファンやマニアもいる。その研究と掘り起こしも大切であろう。観光協会の役員は、たいてい自治体の元有力者や元議員や元職員が多い印象を受ける。一種の名誉職にも映る。思い切って青年会議所(JC)のメンバー等、若手を起用すべきである。感性の乏しい高齢者では、地元の誇れる観光資源の発掘は困難である。ぜひ、血の入れ換えを希望する。

 東京・多摩川にアザラシ1頭がやって来た。「タマちゃん」と名づけられ、多くの見物客が押し寄せた。うまくメディアに乗ったおかげであった。メディアが飛びつくような「何か」を、若者の目線で発掘したり、作ったりして活性化させ、新しい観光地を宣伝しよう。

 
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