【地域創生と観光ビジネス49】高物価のハワイに悲鳴! 観光産業従事者も大幅な賃上げを 淑徳大学経営学部観光経営学科 学部長・教授 千葉千枝子


 学生たちを引率して、4泊6日で久しぶりのハワイへ行ってきた。「短期海外研修」という正課の科目をコロナ明け、4年ぶりに再開させたのである。過去8回の実績は、いずれもシンガポールのみ。今年からハワイコースを新設した。

 シンガポールが21万円超、ハワイは30万円近い団費だが、そのうち10万円を大学が補助する。負担軽減もあって総勢55名の学生が参加した。ハワイの参加者は、そのうち4名。全員が、ホテルや旅行会社、空港サービス、ウエディングと、観光産業をめざす女子学生たちである。

 チェックインまでの時間、お腹が空いたのでホテル近くの「バンザイバーガー」というレストランに入って昼食をとることにした。ハンバーガーが1個16ドル。空港で両替したときのレートが1ドル153円だったから、円換算すると2500円という高値だ。

 レストラン向かいの「マルカメウドン・ワイキキ(丸亀製麺)」は、昼夜問わず長蛇の列で、外国人の姿も目立つ。メニューをみると安くはない。うわさには聞いていたが、衝撃の光景だった。事前に日本から乾麺を持参して、うち1泊はミニキッチン付きの部屋で、私がシェフになってソーメンパーティーを開いた。

 世界的な物価高と人手不足が続き、かつて大衆的だった海外旅行は高嶺の花になった。そうは言っても観光先進州を若い人材が観て知って、学ばなければ、日本の未来は暗い。そう考えての今回のコース新設だったが、予想以上に学生はインスパイアされたようだ。

 現地では、HISハワイの協力でラウンジ見学や意見交換をさせてもらい、JTBハワイではオフィス見学をした。ハレクラニやピンクパレスなど主要ホテルを見てまわり、コロナ禍以降、有料予約制になったダイヤモンドヘッドを登った。筆者もまた、収穫が多い旅だった。

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