家のガスコンロが、壊れた。3口あるうち一番大きく火力も強い1口が、全く着火しないのだ。チチチチと点火音がするのだから、電気系統には問題がなさそうだ。とりあえずガスは漏れていないようなので、しばらくそのまま使っていた。
だが、他の2口では火力が弱くて、大きな鉄製中華鍋は使えない。サイアクなのは30センチのフライパンを使う時。人数の多いわが家では頻繁に登場するのだが、五徳のサイズが小さい分、火が鍋底に当たる部分も狭いから、フライパンの端の方はなかなか火が通らない。いちいちずらしながら焼き加減を均一にするのはかなり面倒だ。そもそも、3口同時進行で使えないのはイタイ。1口炊飯に使ってしまうと他のことができないから、ガス火用羽釜で米を炊く機会も減った。
そうこうしているうち、東京ガスから「ガス設備定期保安点検」の知らせが届いた。困っている今、4年に一度の点検だなんて超ラッキー。コレぞ渡りに船、どこがダメなのか聞いてみた。最終的に、ビルトイン式コンロごと、まるっと交換するしかないと判明。ならば、カタログじゃなくて実物を見て選びたいと、先日、東京ガスライフバルが開催した「秋の住まいるフェア」に行ってきた。
かなり古いタイプを使っていた筆者にとって、イマドキのガスコンロって、こんなに優れモノなんだと、オドロキの連続!
まずは安全面。ガスコンロには、Siセンサーという装置の搭載が、2008年から義務化されているそうだ。調理油が発火するのは、およそ370度。天ぷら火災を防ぐため、約250度に到達すると自動消火するのが「調理油加熱防止装置」。煮こぼれや風などで火が消えてしまっても、自動的にガスを止めてガス漏れを防ぐのが「立ち消え安全装置」。火を消し忘れても一定時間で自動消火するのが「消し忘れ消火機能」。この三つは法律上必須だとか。他にも煮物などで鍋底が焦げ付き始めると自動で消火する「焦げ付き消火機能」や、震度4以上の地震を感知すると自動消火する機能など、メーカーごとに独自のさまざまな工夫が。
そして、便利な機能も充実。天ぷらを揚げる時、衣を数滴垂らして油の温度を確認してからタネを投入する。たくさん入れ過ぎて温度が下がっちゃった…なんていう時、今は温度計を駆使して適温になるよう火加減を調整している。だが、温度調節機能が付いていれば、170度でも180度でも、ずっと好みの温度をキープしてくれるのだ!
さらに、「オート調理」なる機能が搭載された機種も。コンロやグリルに、ハンバーグや焼き魚などの定番料理が、あらかじめオートメニューとして設定されている。選んで点火すれば、火加減は自動で調整、音声ガイドで出来上がりを知らせてくれるのだ。そして、スマホと接続すれば、より進化したオート調理が楽しめるという。それって一体…? 次号はその正体と、ガスコンロの歴史などについて。お楽しみに♪
※宿泊料飲施設ジャーナリスト。数多くの取材経験を生かし、旅館・ホテル、レストランのプロデュースやメニュー開発、ホスピタリティ研修なども手掛ける。