【口福のおすそわけ 446】都内で観光旅行♪~後編~ 竹内美樹


竹内氏

 前号に続いて、東上野と三河島の、ディープなコリアンタウンについて。初めて訪れたそこは、在日コリアンの人々の生活感満載だった。新大久保のコリアンタウンには、フォトジェニックなスイーツやドリンクが目白押しだが、東上野や三河島は、インスタ映えとは無縁と言って良い。

 今、中国人による中国人のための中華料理「ガチ中華」がはやっているが、ここはまさにその韓国版だ。例えば先述の「丸萬商店」で販売されている食材は、日本人にあまりなじみのないモノばかり。「煮ガツ」「ボイルフワ」って一体?…と思ったら、前者は豚の胃袋、後者は豚の肺なんだそう。ハチノスや牛アキレスなんかも冷蔵ケースに並んでいるし、沖縄ではよく見かけるが、本土のスーパーや精肉店ではほとんど見ない豚の耳や豚足、豚の顔までフツーに売っている。

 キムチの種類もハンパない。季節にもよるが、40種類近くもあるそうだ。大根のキムチ「カクテキ」、ニラキムチ、山芋キムチ、韓国の小ぶりな大根の「チョンガキムチ」などなど。今回はきゅうりの「オイキムチ」を購入。次回は水キムチや、いつも国産品を買っている梅干キムチを試したい。

 最後に立ち寄ったのが、「三河島朝鮮マーケット」入り口左手にある小さなキムチ店「金華園」。実は同じビルの尾竹橋通りに面した部分は焼肉店になっている。友人おススメのケジャンがあるのだが、売り切れのことも多いらしい。この日は運良くゲット! ソウルでは200%食す大好物だ。

 ケジャンとは、生のワタリガニをタレに漬け込んだ料理。タレがコチュジャンベースの「ヤンニョムケジャン」と、しょうゆベースの「カンジャンケジャン」があるが、同店は前者だった。「焼肉 金華園」の一番人気はカキのキムチだそう。今度絶対に食べてみたい!

 両手いっぱいの荷物を抱えて家に帰り、いざ、韓国ディナー♪ まずは東上野「上野物産」で購入した白菜キムチ。日本で売っているパックのキムチは大抵カット済みだが、同店では1株の半割か四つ割のまま。お店の人に「まだ早いから、2~3日たってから食べて」と言われたが、韓国では発酵が進んで酸味がある方が好まれるらしい。当日はまだ浅漬けでシャキシャキ、筆者好みだ。丸萬のオイキムチも浅漬けで、サラダ感覚で食べられる。
 ケジャンはヤンニョムのうま辛味でカニの甘みが一層引き立ち、いくらでも食べられそう。手がベチャベチャだから、韓国焼酎を入れたグラスをティッシュでつかんで飲む。そしてまた食べる。そのウマイこと♪

 そして、メインはポッサム。ゆで豚を、サムジャンや韓国酢みそと共にサンチュに包んで頬張れば、気分は韓国!あぁ口福♪

 朝10時ころに行けばゆでたてのポッサムを買えるらしいので、一度チャレンジしてみたい。東京にいながらにして韓国に行った気になれるコリアンタウン、全国発送可能なお店も多いので、ぜひお試しあれ。早くまた行きたいな♪

 ※宿泊料飲施設ジャーナリスト。数多くの取材経験を生かし、旅館・ホテル、レストランのプロデュースやメニュー開発、ホスピタリティ研修なども手掛ける。

 
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