【口福のおすそわけ 436】進化する調味料~スパイス編 その2~ 竹内美樹

  • 2022年11月14日

竹内氏

 前号の続き。今、ナゼ調味料ブームなのか? それは、イマドキはやりのキャンプと切り離せない。SNS上の、多くのキャンパーからの発信が、「外メシ」だけでなく家で調理をする主婦にも影響を与えたのだ。

 もう一つの理由は前号で述べた通り、「ほりにし」発売以前、ブームの下地を作った万能調味料が存在したから。兄貴分の「マキシマム」と「黒瀬スパイス」である。この両者があったからこそ、「万能スパイスビッグ3」などともてはやされるようになったのだ。

 マキシマムの製造販売元、宮崎県の「中村食肉」は、昭和6年創業以来、90年以上にわたって宮崎牛や黒豚、肉加工品などを扱う肉のプロ。実は筆者、かつて直売店を訪れたことがある。ご案内いただいた、県内の食品メーカー社長の勧めでマキシマムを購入。後にテレビで、宮崎ではほとんどの家にあると言ってよいほど、県民から愛されているご当地スパイスなのだと知った。肉の他、野菜炒めでも何でも使うそうだ。

 黒瀬のスパイス販売元、福岡県の「かしわ屋くろせ」も、昭和25年創業で70年以上鶏肉を専門に扱っている老舗。お客さまが、鶏肉を家でもおいしく調理できるようにと、約20年前に開発されたこのスパイス。キャンプ好きの3代目が、これを使ったアウトドア料理をSNSにアップしたところ一気に話題沸騰、全国から注文が殺到するようになったという。

 これら三大スパイス、それぞれの味の違いは…? ほりにしは最もガーリックの含有量が多く、パンチがある。ミルポアパウダーとチキン調味料のせいか、洋風寄りの味。粒感が大きく、例えばキュウリにつけてポリポリ食べても美味だが、筆者がよく使うのは、スクランブルエッグなど卵料理。

 マキシマムは、クミンの風味がカレーを連想させ、かつお調味粉末と相まってオリエンタルな雰囲気。炒飯や中華・エスニック料理での使用頻度が高い。

 黒瀬はタンパク質系の素材が入っておらず、しょうゆの割合を増してうま味を演出している。しっかりした味わいは、フライドガーリック入りだから。薄切り肉に振りかけて焼くだけで、ちょっとした一品料理になるからありがたい。

 三者が注目を浴び、調味料選手権も多くのメディアに取り上げられ、調味料業界にとってまたとない追い風の今、新規参入組も多い。テレビでもおなじみ、「賛否両論」の店主で料理人の笠原将弘氏は、「俺の万能野遊びメシスパイス」をはじめ、液状のポン酢なども含む11種類の万能調味料セットを監修。ミシュラン常連の「分とく山」総料理長野﨑洋光氏も、10種の原料を調合した「十味とうがらし」や、液状の「十味ゆず胡椒(こしょう)」など、「新しい和風調味料」というジャンルをうたい参戦している。

 進化を遂げている調味料、古代からスパイスを珍重して来た海外には、きっとスゴイ物があるに違いない。今や、日本でもそれが手に入るのだ。次号は輸入調味料編。お楽しみに!

 ※宿泊料飲施設ジャーナリスト。数多くの取材経験を生かし、旅館・ホテル、レストランのプロデュースやメニュー開発、ホスピタリティ研修なども手掛ける。

 
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