前号でグラタンについて書いたが、いくら大好物でもしょっちゅう食べちゃあいけないと思う。そう、カロリーが高いのだ。調べたところ、マカロニグラタンの場合、1人前で約500キロカロリー前後もあるのだそう。
それもそのハズ、バターとチーズをタップリ使ってるんだから。わが家の場合、かなりのチーズだくだから、考えるだけでオソロシイ。しかもベシャメルソースとマカロニで小麦粉ダブル使いだから、糖質量だってハンパないだろう。
そんな筆者に、救世主が現れた。ミツカングループのZENB JAPANが昨年12月に発売した、「ZENBマメロニ」だ。それって何?という方のためにご説明すると、黄えんどう豆100%でできたマカロニタイプのショートパスタである。つなぎも塩も一切使っていないというからオドロキだ。公式サイトによれば、マカロニに比べて食物繊維は2.2倍、たんぱく質は1.3倍、糖質は30%オフで、しかも血糖値が上がりにくい低GI食品なんだそう。
ちなみに、豆はうす皮まで丸ごと使っており、ブランド名ZENBの由来は「全部」という意味。他にも野菜を丸ごと使ったペーストやスティックなどのラインアップがある。2020年9月に、黄えんどう豆100%の「ZENBヌードル」が発売されたが、豆好きな筆者の嗜好にジャストミート! 一気にハマってしまった。
そのマカロニバージョンなら間違いなかろうと、発売と同時に購入した。予想は見事的中、グラタンにすると、フツーのマカロニと変わらない。弾力があって、モチモチした食感がイイ。その上グルテンフリーだ。小麦粉に含まれるタンパク質グルテンを摂取しない食事のことで、体調が良くなったり、ダイエットにつながったりするという。「おいしいとカラダにいいはひとつになれる」というキャッチコピーは、本当だ。
豆類は、窒素肥料を多用せずに栽培できるため、環境への負荷が少ないとされている。SDGsに掲げられている目標を達成しなければならないのは、2030年。残りわずか8年しかない今、環境に優しいかどうかは、とても重要な問題である。
「プラントベース」つまり植物由来の食品の一つに、同じく豆が原料の代替肉がある。日本ではまだブレイクしているとは言えず、ソイミート、フェイクミート、大豆ミートなど呼び方もさまざまだが、世界的にはサスティナブルな食品として人気を博している。17年に4538億円だった世界の代替肉市場規模は、20年には1兆1885億円に成長しているのだ。
なぜそんなに需要が増えているのだろう? 理由はいくつかあるようだ。まず、人々の考え方が変わってきたこと。最近「エシカル消費」という言葉を目にするが、直訳すれば「倫理的な消費」という意味。商品を購入する際、価格ではなく、人や社会、地域、環境などに優しいかどうかという判断基準で選ぶことを指す。じゃあ、どうして大豆ミートがエシカルなのか? 続きは次号で!
※宿泊料飲施設ジャーナリスト。数多くの取材経験を生かし、旅館・ホテル、レストランのプロデュースやメニュー開発、ホスピタリティ研修なども手掛ける。