和倉温泉配湯管一本化工事事業
石川県の和倉温泉旅館協同組合は、源泉から各旅館への配湯管の一本化工事を行った。引湯量の増加や燃料代の削減など、各旅館でさまざまなメリットが得られた。
これまで同温泉では、源泉から旅館までの配湯管はそれぞれの宿が敷設し、管理していた。ただ、源泉から千メートルと長い距離に及ぶ旅館があったり、源泉が90度と高温で、高濃度の塩泉であることから管にかかる負荷が大きく、さらに敷設からどの旅館も40年以上の歳月がたっており、管の腐食、内部の詰まりなど老朽化に悩まされていた。
一本化工事は既に2012年に温泉街の東側エリアで完了。今回は西側エリアで行った。19年9月から10月にかけて行い、10月11日に事業が完了。
調査によると、ある旅館の引湯量は工事前に比べて47%アップ。湯温を共有貯湯槽出口で計測したところ、工事前の75度から83度へと、11%上昇した。温泉の温度が維持されたことで、各旅館のボイラーの燃料代も節約。ある旅館では重油の使用量が33%削減された。
立地の関係で今回、工事に参加できなかった旅館があり、今後は追加の工事で事業の平等化を図るとしている。