九州北部豪雨水害被災者ボランティアへの入浴提供
福岡県の原鶴温泉旅館協同組合は、平成29年九州北部豪雨の被災者やボランティアなど復旧従事者に温泉を無料開放した。同年7月から12月まで、延べ2万4881人に入浴提供した。
福岡、大分両県で40人を超す死者、行方不明者を出した九州北部豪雨。原鶴温泉がある朝倉市杷木地区でも豪雨により447世帯、1011人が市内各所に避難を余儀なくされた。ただ、旅館では宴会場や厨房に水が流れ込むなどで休業した施設が一部であるものの、温泉湧出には問題がなかった。
組合は豪雨発生翌日の7月6日、緊急の理事会を開き、組合加盟16軒の温泉施設を当面の間、無料開放することを決定。被災者やボランティアを受け入れた。施設や入浴時間を記載した無料入浴券を発行。入浴時間は一般の宿泊客に配慮し、午前11時から午後3時までの「昼の部」と午後6時から8時までの「夜の部」に設定した。
旅館には衣類や日用品が各方面から届けられ、家を流された人や、着の身着のままで避難した人に大変喜ばれたという。互いの近況を報告しあったりなど、各旅館は被災者のコミュニケーションの場として機能。心の安定の場として役立った。