【体験型観光が日本を変える346】「働かない改革」にならぬよう 藤澤安良


 3日、台湾東部でマグニチュード7.7という能登半島地震を超える規模の大きな地震が起こった。発生から4日間で崖崩れや崩落した道路が復旧し、観光客などの孤立も解消されるという早業である。日本の復旧復興のペースと大きな違いがある。地震国日本が学ぶべきことが多いのではないかと思われる。

 スキー場の経営にも関係している。今年は天候の影響で冬のスキーが不完全燃焼した感じがあった。例年より遅めの桜満開の便りが全国各地から相次いで届いた。6日、7日の土日の東京都内でも、上野公園、目黒川沿い、井之頭公園などの桜の名所はいずれも満開で人出も最高に達していた。

 桜の名所はインバウンド客にも人気のスポットとなっている。入学式の記念写真のバックに満開を迎える桜はよく似合う。今年は、久しぶりに入学式に合わせてくれた。新生活の門出を祝う入社式にも花を添えた。

 大手企業の春闘での高額回答を受けると同時に、少子化時代の人材確保競争時代を反映し初任給も上がる傾向となり、採用人数も多くなり華やかで希望あふれる職場になってほしいものである。日本の桜は季節の春を楽しめる資源である。観光にとっての春にもなってほしいものである。

 JR東海が、リニア中央新幹線の静岡工区の工事がが進まず、2027年の開業を断念するとの発表があった。その数日後、記者会見で工事が遅れている原因でもあった静岡県知事が6月に辞職する旨の発言があった。一刻も早い開業を望みつつその後の進捗(しんちょく)を見守りたい。

 パレスチナ・ガザ地区南部に侵攻したイスラエル軍が撤退するとの報道があった。死者3万人を超えたイスラエルの侵攻はいったん休戦に向かうとみられる。ロシアのウクライナ侵攻も収束に向かってほしいものである。

 観光関係組織の数社に役員やアドバイザーとして関わっており、新年度の経営方針や課題について議論する機会がある。最大の課題は人材確保と現有人材の労働力アップである。労働環境やマネージメントの問題は当然あるが、労働者のモチベーションや行動力の低下が大きな課題である。

 できるだけ働かず、時間拘束は少なく、給料は高い方がよいというのは当然の権利主張である。

 自分で考えることもなく指示待ち人間が多く、強い口調での指示はパワハラと言われ、打たれ弱くメンタルが弱い。おだてなだめすかしても結局仕事はせず、パソコンに向かうだけで内容は疑問がある。仕事をしている時間つぶしのアリバイ工作ばかりでは成果は生まれない。

 「2024年問題」も労働密度の向上が求められている。つまりは、管理職側のマネージメント能力も、労働者側のモチベーションや人間関係構築能力も養成する機会がほとんどないという現状がある。このままでは、働き方改革が働かない改革になってしまう。

 企業のあるべき姿や社会責任の徹底も含め、管理職もベテランも新人も人材育成研修の必要性が高まっている。室内研修では得られない体験プログラムでの教育研修をすべきである。

 
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