【体験型観光が日本を変える278】人気観光地、ハワイの現状 藤澤安良


 観光業界にとっては待ちに待った「全国旅行支援」が始まった。秋の行楽シーズンと重なり、観光客がずいぶん戻りつつある中で必要ではないという意見もあるが、国内観光の起爆剤になるのは間違いない。

 しかし、旅行者は金額や内容など取捨選択の目は肥えており、全ての地域や宿泊施設がその恩恵を受けるとは限らない。宿泊施設だけで個別に誘客する時代は終わっており、宿泊する理由の前にその地域に行く目的の提案が不可欠である。

 つまりは、魅力も目的も希薄ならその地に足を運ぶ理由も希薄になる。地域の魅力と目的提案は地域力であり、1社1宿泊施設でやることではなく、地域一丸となって取り組むべきことである。地域の観光関連組織の役割であり、永遠の課題でもある。

 海外からのインバウンドも人数制限が解かれるが、当然ながら、航空機の運航と密なる関係があり、便数が増えなければインバウンドも海外渡航者も容易には増えない。

 日本からの人気の観光地ハワイへは羽田便に限っても半分以下の便数である。私も、10月上旬にホノルルへ飛び1週間滞在したが、ワイキキの人通りも戻りつつあるが、日本人はとても少ない。日本人でもっていた土産店や飲食店は以前のように全てが営業しているわけではない。

 ホノルル市内を走る路線バスも、カード系、旅行会社系、航空会社系のバスも全盛期に比べてとても少なく、1回も見たことがないバスもある。しかし、アメリカ本土系の旅行者は多く、韓国人も多くなっている。大きく日本人の旅行者が出遅れている感が否めない。

 市内の人混みではレストラン、フードコート、ワイキキのビーチ、大通りの歩道でも、ほとんどがノーマスクであり、マスクをしている人は日本人ばかりである。ここまで来ても、日本は帰国後に感染させてはならないと思う、人思いの社会性がなせる業であろう。羽を伸ばしきれずにいる日本人のけなげさに心打たれる。

 また、海外旅行者にとって円安ドル高はあまりも大きな打撃である。ワイキキのホテルも1室1泊で5万円を超えるホテルが当たり前のようになっている。

 フードコートで3人前のランチボックスが日本で2500円程度のものが、日本円換算で8千円を超えた。サンドイッチ2個入り400円程度が1560円と、レストランでのディナーは軽く1万円を超え目を丸くすることの連続である。

 とにかく、円安の影響は大きく、日本人の肩身が狭くなり、国力の度合いを痛感することになる。政府の金融政策が問われる。半面、訪日外国人は日本の物価、とりわけ、食事は極めて安く感じることは間違いない。

 物品の購入も、飲食への使い道も、体験プログラムやアクティビティも、今より価格が高くても、質や顧客満足度が高い商品の提供が求められている。

 この円安に乗じて、中国などの外国資本に日本の土地やマンションなどの不動産が買い占められる懸念が残る。激しい時代の動きに対応した行動が求められている。

 
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