【体験型観光が日本を変える238】新たな変異株発生、水際対策強化を 藤澤安良


 11月末、地方への出張で満席の航空機に乗り羽田空港を出発した。便数は完全に戻っていないが、閑散とした羽田空港を見続けてきたが、満席航空機も、盛況な空港ロビー情景もコロナ前以来であった。

 ようやく県境をまたぐ移動が可能になり、自粛バネが効いているのか旅行客も確実に増えている。行楽地につながる道の駅では、たいしておいしくもコスパがいいわけでもないが、昼食時には行列ができる光景を見ることになる。

 日本の新型コロナウイルスの感染者は、東京で1桁が続くなど下げ止まりの状況が続いている。一方で、隣国韓国では増え続け、過去最高の感染者数を記録した。

 また、ヨーロッパでも予断を許さない状況が続いている中、感染力が強くワクチンの効果が薄いとされる、従来のデルタ株から置き換わったとされる、南アフリカ発の変異株の「オミクロン株」がヨーロッパや中東あるいは香港などへとじわじわと世界中に広がりつつある。

 今まで新しい変異株が発生するたびに感染の波が起きている。日本でも水際対策の強化など警戒を強めなければならない。

 お正月が近づいている。ふるさとへの帰省や年末年始の旅行など、昨年動けなかったが今年は例年に近づく動きができるのではないかと、ふるさとの祖父母や都市の子どもたちはもちろん、運輸・観光業界の期待が高まっている。第6波が来ないよう、このまま収束に向かうことを望みたい。

 当方も、全国の感染状況の小康状態が続いており、各地にうかがう機会が増えている。中でも教育現場への普及が進んでいるSDGsの推進手法や、プログラム開発、あるいは現場での運営を行うファシリテーターなどの人材育成研修などを行っている。

 地方には、山、川、海に続く豊かな自然があり、農林水産業などの食糧生産現場があり、さらには、新鮮で地産地消の郷土料理が味わえ、その住む人々の知恵や技が継承されたものづくりや文化が息づいている。

 そんな魅力あふれる地域であっても、少子高齢化、過疎化、1次産業の後継者不足、集落の存続などの地域課題に加えて、森林の荒廃や耕作放棄地、獣害問題、海岸の漂着ゴミ、中でもプラスチックごみ問題や二酸化炭素(CO2)削減など環境問題にも大きく絡んでくる。

 都会では見えない気づかない問題も多く、SDGsの17の目標に合致するものも多く、まさに、学びの場としての敵地である。それらを、受け入れる側の地域も、それに応じた準備を急がなければならない。

 地方でのこのテーマでの研修には少しハードルが高いとの懸念をしていたが、実際に1次産業従事者や教育民泊受け入れ家庭などが集まり研修会を実施しているが、関心が高く、今まで何のことか分からなかったが、目的や仕組みがよく理解できた。いろいろな社会課題が他人事だったのが、自分事として捉えることができた。

 自分たちの地域の未来を考えたり、議論をする機会がほとんどなかったが、新鮮で充実した時間であったという。SDGsは地方からも始まることになる。

 
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