
東京オリンピックは日本人の活躍が目立っている。水泳の大橋悠依は日本初の2冠に輝いた。お家芸の柔道は日本武道館というお家で戦う有利さもあるのかメダル数が格段に多い。中でも、史上初の同日に阿部兄妹そろっての金メダルは圧巻であった。卓球での新種目混合ダブルスも水谷、伊藤ペアが中国に勝っての金メダルも感動した。感動のシーンは枚挙にいとまがない。
一方で、金メダル本命であったり、メダルが期待されていた選手が、本来の実力を発揮できずに、早くに敗退するという無念な姿も見ることになった。当然のことながら、メダルの獲得までは実力とメンタルと、運も実力と言われるその運もありそうである。
メダル獲得者のプロセスが紹介されるが、その実力は長年にわたる並々ならぬ努力なしには、メダルには到達できないことも再確認することとなった。
期待の大きさによるプレッシャーや、大舞台の雰囲気にのまれるなどが重なり、緊張のあまり体が硬くなって動きが悪いと思われる選手も少なくない。本来持っている実力を出し切るにはメンタルはとても大きな要件である。
私も、競技者であった時代があるが、国立競技場など舞台が大きくなるにつれて、足が地についていないような感じであった。経験回数や体験がメンタルに栄養を与えることになる。
オリンピックをテレビ観戦している合間にテロップが流れ、新型コロナ新規感染者数が映し出される。日増しに増え続け、東京や首都圏3県ではこれまでの最高を記録し続けており、変異株(デルタ株)の影響もあってか東京では5千人に、全国でも1万人に迫っており、医療体制の圧迫が懸念される。
7月30日には埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県に緊急事態宣言を発令し、北海道、石川、京都、兵庫、福岡の5道府県に、まん延防止等重点措置を8月2日から31日まで適用する。さらに、東京都と沖縄県も31日まで延長することになった。観光、運輸産業に大きな経済損失をもたらすことになる。そして、パラリンピックの開会も緊急事態宣言下となる。
今までの、弱いメッセージ、薄い給付金、ちぐはぐなワクチン政策、医療現場は苦戦しながら持ちこたえている中で、改善が進まない医療体制。その結果、政府に対する信頼度が減少している。通勤も夜の街も観光地も人流が少ないとは言えない状況が続く。
さらには、新型コロナワクチン1188回分を廃棄した自治体がある。また冷蔵庫の電源が切れていた、その要因でのワクチンの廃棄が過去に何回もある。
国民の命に直結するワクチンの取り扱いがこれほどずさんでいいのか、他の事象に学ばないのか、確認に確認を重ねないのか、複数人の確認はしないのか、給料だけは欲しい他人事の行政職員が多い結果ともいえる。
そんな政府や都道府県に政策や対策はあるのか。このままでは多くの国民が従わず、緊急事態宣言下にありながらの急激な感染者の増加は止められないだろう。政策や対策に今までと違う覚悟と本気度を示す時である。