【体験型観光が日本を変える220】あらゆるリスクを回避する対策を 藤澤安良

  • 2021年7月24日

 静岡県熱海市で発生した土石流による被害の全容が明らかになりつつある。近年、取りざたされている線状降水帯が停滞し、短時間に数百ミリの降水があった。この状況はどこにでも起こる可能性があり、九州や中国地方でも大雨洪水が起こった。

 熱海市が大惨事となった要因は、最上流から流出した土砂の大半が土地開発による盛り土であったからだ。その盛り土に産業廃棄物が混入していたとの情報もある。

 樹木もなく、高所に土を盛っただけでは水分を含めば崩れ、流れることは常識の範囲だと思うのだが、地域住民へのインタビューで、その状況を不安視していた人も少なくなかった。しかし、結果は放置されていた。

 工事施工者、土地所有者、監督行政などいずれも自分事でないことがうかがい知れる。このような盛り土は全国各地に5万カ所を超えることが確認されている。

 梅雨前線の停滞や台風による水害は例年行事のように国内のどこかで起きている。そのたびに、異常気象だとか、70年住んでいるが初めてだとか、観測史上最高とか、最後は想定外だったと逃げ口上になる。地球温暖化と無関係ではないと思っているが、今までの固定概念や経験を上回る災害を想定内にしなければならない。

 憲法で保障する国民の生命財産を守るためには、新型コロナウイルスのみならず、普段の暮らしでも、安心安全を担保するため、あらゆるリスクを回避する対策が求められている。また、生命と財産といえば交通事故やあおり運転などの防止も同じである。しかし、法律やルール、モラルを守るのが当たり前にも関わらず、守らない人も多く、危うい社会である。

 過日の千葉県の事故は、飲酒した運転手による大型トラックが下校途中の児童の列に突っ込み5人が死傷する凄惨な結果となった。危険通学路として認識されながら、長年にわたって放置されていた問題もある。人間の常識や良識の欠如が大きな問題である。

 最新型の乗用車は追突防止などの安全装置が充実しつつあるが、人間力の退化をフォローするには、アルコール検知や、免許証不所持なら動かないなどの装置までも必要になる。

 地球環境、インフラ整備、人権重視などの課題が浮かび上がるが、世界的な課題を解決しようとするSDGsそのものである。胸にバッジをつけている人は多いが、コロナ禍の陰で活動が停滞しているSDGs推進に積極的に取り組む必要がある。

 政治、企業、自治体は当然ながら、次の時代を背負う青少年、つまりは学校教育現場において取り組む必要がある。校内の授業のみでは社会とのつながりが薄く地域内の課題に限られることから、中高生は全国的な視野の課題に立ち向かうべきであり、他地域へ交通費をかけて出かける修学旅行はその好機である。

 泊数を増やしてでもSDGsや人間力強化の校外教育が必要だ。修学旅行の原型の11泊12日の長途遠足から125年、誰も動こうとしないが、観光旅行から脱却し、時代の変化が求める新しい内容重視の教育機会の創造が迫られている。

 
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