【体験型観光が日本を変える203】大震災から10年、復興は進んだか 藤澤安良

  • 2021年3月17日

 新型コロナウイルス感染が拡大し始めて1年以上がたっている中、首都圏4都県に出されていた緊急事態宣言が2週間の再延長となった。自粛と時短営業での要請とお願いばかりでは、早い収束は望めそうもない。

 感染拡大の原因でもある無症状で、検温にも引っかからない陽性の人が動き回る限り、イタチごっこのようなものである。

 PCRでも抗原検査でも良いが、とにかく全員一斉検査と全員ワクチン接種を目指すべきである。陽性ならホテルへの隔離療養2週間、陰性なら安全対策を講じながら活動することとすれば良い。

 また、ワクチンはインフルエンザと比較してもかなり効果が高いと言われており、世界中で取り合いすることなく、国内生産を増やし賄える政策が求められていた。この1年は何を学び、何の対策を講じてきたのかが問われている。

 東日本大震災発生から10年を迎え、報道各社が特集などで報じている。津波の災害では、高台移転、盛り土かさ上げ、巨大堤防などの物理的な復興対策が行われてきた。

 しかし、戻ったり、新たに住もうとする人が少なく、とりわけ若者が帰ってこないという。空き地が目立つばかりでは悲しい。住むだけではなく、生きる糧を得られる仕組みがなければ解決しない。

 10年もの間、産業が活発でなかったならば、その面での復興は容易ではない。福島第2原発の廃炉処理は難航を極めている。当時では分からなかったり、隠蔽(いんぺい)されたり、安全対策の想定や判断が甘かったり、多くの問題が露呈し始めている。

 これまでの日本独特の安全神話による、事なかれ主義や場当たり的な対応が積み重なり、想定外を繰り返すことになる。

 最悪を想定して最善を尽くす国にならなければ、自然災害に見えて実は人災である。あまりにも多くの犠牲者がむくわれない。災害国日本は災害に学び教訓を得るためにも、現場と真実を知らなければならない。

 敗戦国日本が平和を守る意識を高めようと平和学習がある。戦後76年目を迎える今でも、その適地は被爆地のヒロシマ、ナガサキであり、地上戦で多くの犠牲者が出たオキナワである。つまりは、10年目を迎えた東北の被災地を第2の平和学習として「震災復興に学ぶ」修学旅行は当然ながら、広く国民が共有すべき課題であることから、観光振興による産業振興を図る機会とすべきであろう。

 鮮度の良い魚介類、新鮮な山菜や野菜やキノコ、さらには、国産の肉や乳製品、日本酒に、私が気に入っている山ぶどうワインなど、地産地消の現地食材による料理は旅の醍醐味(だいごみ)である。大津波の被害と人工的な復興の姿を語るガイドツアーがメインの学びの素材となる。

 さらには、三陸復興国立公園の海岸を巡るトレッキングや海から見る断崖など、大自然の素晴らしさと、あわせて脅威も知ることになる。1次産業と観光産業は両輪である。農林水産物からの収入拡大も、若者の雇用も、精神的にも経済的にも真の復興は体験交流滞在型の観光振興に他ならない。

 
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