【体験型観光が日本を変える 183】アフターコロナは田舎の時代 体験体験教育企画社長 藤澤安良


 菅義偉新総理が誕生し、新内閣が発足した。再任や横滑りが多く新人が少ない閣僚メンバーでありながら、世論調査では前政権より大幅に支持率がアップしている。総理が替わることへの期待の大きさを物語っている。

 国民のために仕事をすると言い続けている新総理。それが当然だと思っていたが、今までの総理は誰のために仕事をしてきたのか。ともあれ、山積する日本の課題に立ち向かってほしいものである。

 その日本の65歳以上の高齢者が3617万人で世界最高の高齢化率となっている。少子高齢化対策も大きな中長期的課題である。新型コロナウイルスの感染者は、Go Toが10月から解禁になる予定の東京はまだ、200人を超えている。

 夜の町なのか、昼のカラオケなのか、どこでもいつでも人口が集中している都市部では、どこからともなくウイルスはやって来るのか、潜んでいるのか分からない。

 その都市を避けて地方へ移住する人も、別荘やセカンドハウスを購入する人も増えているとか。密にならないでキャンプをしたいとして、山を購入する人までも現れている。

 キャンプ場のテントサイトはホテルの部屋のように、宿泊日のみ使用できる仕組みだが、リゾートマンションのようにキャンプ場サイトを購入することもあるかもしれない。

 持ち主が使用しない時は一般に貸し出し、利益を得る仕組みが出てくるだろう。リモート会議やテレワークが定着すれば、働き方や働く場所が大きく変わることになる。

 さらに、出前、ネットショッピング、テレビ通販など家庭に居ながらできることが普及し、確定申告は当然のことながら、コロナに関する給付金申請も、Go Toトラベルの申し込みも、国勢調査の回答もインターネットを使うことになった。加えて、AI、VR、コンピューターゲーム等、バーチャルの世界が発展すればするほど、人間はリアリティを求めることになる。

 9月のシルバーウイーク4連休は、コロナ前に近い高速道路の渋滞と観光地の混雑が戻ってきた。プロ野球も無観客から収容人数の5割まで規制が緩和され、にぎわいが戻ってきた。10月1日からGo Toは遅れていた地域共通クーポンが開始され、東京が加わって利用者は大きく拡大するであろう。しかし、その恩恵は割引額が大きい高級ホテルや高額商品が受けている。

 また、コロナ禍にあって3密を避けるため、マイカーやレンタカー利用が増加し、旅行先は大自然を満喫する方向になっている。自然、キャンプ、豪華のキーワードからも今まで以上にグランピングも増えるであろう。その傾向は、自然回帰や田舎の価値を高めることになる。地方の山林も、耕作放棄地も有効活用する機会が生まれる。

 その間の、余暇活用はアウトドアスポーツ、田舎料理の食事づくり、農林業体験、田舎暮らしを伝授するプログラムもニーズが高まるはずである。つまりは、このコロナ禍とコロナ後はまさに田舎の時代となり、ほんものの体験交流がさらに必要な時代となる。

 
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