【体験型観光が日本を変える 172】Go To トラベルキャンペーン 体験体験教育企画社長 藤澤安良


 新型コロナウイルスによる感染者数は全世界で1千万人に及び、死者も50万人を超える勢いで増え続けている。米国はマスクをする人も少なく、飲食店で向かい合って談笑する姿が映像で流れている。感染予防対策の意識が日本に比べて格段に薄いようであり、その結果であろう、1日4万5千人も増え続けている。

 わが国でも、県をまたいでの往来が解禁され、人々の動きが活発になってきている。

 東京などの夜の街関連、職場クラスター、昼カラオケ、20代から30代の若者の比率が高いなど、現在の感染傾向が絞られつつあるが、夜の街の接待関係は言うに及ばず、大声のカラオケも、居酒屋での会食も、その会食終わりのグループが路上で固まり、酔いに任せた大声での会話も、どう見ても3密がなおざりになっている光景を目にする。

 東京アラートも緊急事態宣言も容易に再び発令はされないだろう現状予測の中で、東京の連日50人を超える感染者が出ていることは心配である。完璧や厳密な対応は困難な中でも、感染確率を下げる努力と工夫、それに従い応じて守る姿勢が求められている。国民の自主、自覚、自衛の問題になりつつある。

 国内修学旅行のガイドラインも示されて、春の最盛期から秋へと延期された修学旅行が近づいてきている。第2波が来て再度緊急事態宣言が出されることがなければ、双方が日々の健康管理チェックシステムや感染防止対策を講じて、中止はせず実施すべきである。

 また、学校のある地域や都市を除く多くの旅行先で3カ月間全く感染者が出ていない。感染の実情も考慮すべきである。さらには、密室が懸念される新幹線や貸し切りバス、あるいは航空機など、数分で換気ができる機能を持つという。防止対策もよく理解をする必要がある。

 6月29日に政府の経済対策と国内旅行の需要喚起策「Go Toトラベルキャンペーン」についての企画提案募集を締め切り、7月上旬に決定し、8月上旬から開始したいとしている。修学旅行に関しては、入学時から旅費の積み立てを実施しているところがほとんどであり、1泊2万円の補助対象にはそぐわないし、需要喚起策ではない。

 保護者に返金することは給付金のごとく教育の充実よりも家計の方に回る可能性も高いし、扱う旅行会社等の労力も大変になる。さらには、その補助金を当てにして不必要な内容にグレードアップすることがあれば本来あるべき姿ではない。

 修学旅行参加者は別の機会に使用できる一律1万円の旅行券が配布される程度の簡単なシステムの方がよい。完全な対策も特効薬も、うつしたり、うつされたなどの責めに対応するコロナ保険もない中で、精度の問題はあるにしてもPCR検査や抗原検査の結果、陰性の人が旅行に参加できるなどの、検査システムの確立こそが安心安全の証となる。

 安くなる旅行もありがたいが、大量移動のGo Toや修学旅行が感染拡大にならぬようにしたい。需要喚起は国策による一刻も早い大量小負担の検査体制整備に他ならない。

 
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