【体験型観光が日本を変える 171】「深い旅」を目指す好機に 体験体験教育企画社長 藤澤安良

  • 2020年7月1日

 新型コロナウイルスの感染者は東京では連日30人前後が出続けている。そんな中、6月19日に県をまたいだ往来の自粛が解除された。1兆3千億円に及ぶ国の「Go Toキャンペーン」の検討案は示されているが、早くても8月の上旬開始であろう。その政策に先駆けて、全国42県で宿泊などの補助キャンペーンが動き出している。

 さらに、市町村単位のキャンペーンも検討されるなど乱立キャンペーンとなりつつある。国と県と市町村の制度を利用すれば、ほぼ無料に近い状況が起こる。3者の適用期間が重複しないで、3月末ぐらいまで継続すべきである。

 需要喚起は必要だが、感染者ゼロにならない現状で、安いから旅行に行かなければ損だなどと、一気に大きく需要が拡大すれば、現場は3密や社会的距離の確保が困難になる。そんな政策が第2波の要因にならねばいいのだがと心配になる。

 安さゆえに行く旅行から、内容や中身の濃い今までにない旅をしてほしい。また、地域はそれに合わせて、安売りではなく、単価は上がっても魅力ある付加価値商品の提供を目指すべきである。

 せっかくの多額の税金を使った需要喚起策が、ただ安さにつられての旅ならば、それらの制度の適応がなくなった時点で、旅行ブームが終わり一過性のものになりかねない。

 受け入れ側は宿泊施設だけではなく、体験プログラム、飲食、物産、交通が一丸となって連携をし、地域の魅力を旅の目的とし、総合商品として提案する仕組み作りが求められている。

 withコロナの時代は、感染症防止対策はもちろんのこと、今まで以上に大自然、農林水産業、食、地域に生きる人にフォーカスし、連泊など滞在時間を長くし、感動した、勉強になった、などと「心高まり」、全てに「深い旅」を目指す好機である。

 観光業界の身近で資金繰り、自転車操業、倒産などが聞こえる。価格競争から脱却し、内容が伴った高付加価値競争の新しいビジネスモデルに転換すべき時である。

 いろいろな事柄がストップし、3月から3カ月間停滞していたが、今こそ、地域内で観光産業の新しい未来をどう拓(ひら)くのか大いに議論を高める時である。

 医療面でのコロナ対策では、常々提言しているが、渡航制限解除が予定されている4カ国はPCR検査での陰性証明書が必要とし、日本到着後も再度検査し陰性の渡航者が市中に出られるというものである。

 プロ野球選手や球団関係者など2千人を超える人が開幕前に一斉にPCR検査し全て陰性だったとしてひとまず安心し開幕を迎えることとなった。

 つまりは、PCR検査を容易にすることが不可欠となる。また、日本の医療機器メーカーにより抗原検出キットが開発され、結果は30分程度で判明するというものがある。大量に需要が確認されれば安価になるとのことである。

 PCR検査や抗原検査等いずれでもいいが、旅行者と受け入れ地域の双方が安心できる検査体制を、国家政策としてまずは修学旅行から早期に確立するべきである。

 
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