【体験型観光が日本を変える 170】コロナの新しい観光産業 体験体験教育企画社長 藤澤安良


 新型コロナウイルスの日本の感染者は欧米に比べて低い数値であるが、依然として東京や札幌などの都市部を中心に感染者が出ている。

 「東京アラート」と称する注意喚起も解除され、学校も再開され、感染防止対策はあらゆる業種・業態ごとに詳細なガイドラインを作成し、徐々に社会経済活動を動かそうとする局面に入った。

 観光産業の休業補償は遅くて少額、無利子で、融資を受けても返済のめどが立たず、財力がない宿泊、飲食、物産、交通など多くの事業所の倒産が相次いでいる。

 もう40日も感染者が出ていない地方の県ではすでに自粛は解除され営業をしている店が多いが、自粛ムードの影響はそう簡単に払拭できず、お客は極端に少なく、元のにぎわいが戻るのは先になりそうである。

 その現状では、観光産業はコロナ感染防止対策を広く旅行会社や旅行客に告知し、理解を求めると同時に、安心安全をアピールすることが必要である。今までよりも、お客に対策に対する協力やセルフの増加などでサービス低下になることを含めて理解を求め、価格設定にも分かりやすく波及させることが求められている。

 詳細はいまだ見えないが、観光産業にとって期待がふくらむ「Go Toキャンペーン」の獲得に向けても、全国一律にお客が増えるわけでもなく、しっかりとその獲得に向けて準備をすべきである。そのポイントは次のような視点が必要である。

 ▽コロナ対策による安全対策をしっかり打ち出し安全安心をアピールする▽お客にもコロナ対策への協力要請し、その同意が条件で受け入れする▽テレワークやリモートや宅配等と、家庭内で諸手続きを完結することが定着したことから、ネットによる予約が増大する。従って、旅の目的提案を含めての多くの商品をネット上に掲載する

 ▽3密を避ける意味からも、ツアー客から個人客へと行動の単位が小さくなる▽それに伴い、公共交通機関よりもマイカーやレンタカーの利用が拡大する。先ごろ、あおり運転をなくすための改正道路交通法が成立し、今月末にも施行される予定となった。ドライブレコーダーもにわかに普及することになる。コロナで外出が自粛されたこともあり交通事故が大幅に減少したが、増加させないためにも交通安全の啓蒙活動も必要になる

 ▽海や山や高原など、コロナが届きにくいイメージの大自然をテーマにしたコンテンツと同時に、農林水産業のプログラムも普及拡大の機会とみている▽海外渡航がままならない現状では、国内旅行を見直しシフトさせる好機としたい▽インバウンド回復の見通しが立たない現状では、日本人の誘客に力点を置き、特に県内や近県の市場を掘り起こす。マスク不足で苦しんだ経験に学び、生活必需品や食料は自給率を高めることである

 ▽「食」は旅の大きな魅力であり、和食や郷土料理をアピールすると同時に地産地消に徹し、新鮮な地元食材での提供を心掛け、地域の1次産業振興に貢献する仕組みづくり。その商品価値を高め見直す機会としたい▽体験プログラムや観光資源の+宿泊施設+飲食店+物産店が連携し地域総合商品化が求められる▽そのため、観光の地域連携対応策を講じる等、積極的な誘客行動をするか否かでコロナ後の地域活性化の明暗を分ける。SDGsの推進にもつながる

 
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