【体験型観光が日本を変える 167】不安払えぬPCR検査の少なさ 体験教育企画社長 藤澤安良


 新型コロナウイルスによる倒産は1万件を超え、失業者は310万人にも上るとの予測も出ている中、新型コロナによる緊急事態宣言は、5月25日に残っていた首都圏の4都県と北海道で解除された。

 3密やその他の予防対策をしっかりと継続しながら、社会経済活動を起こしていかなければならないのは当然である。気を緩めて対策を怠れば、いつ何時再度感染拡大が起こるかもしれない。

 解除予定がニュースで流れた解除前の週末は、各地で一気に今年のゴールデンウイークよりも多く人が繰り出した。私もマイカーで県内の一般客が宿泊可能なリゾートマンションに家族で泊まった。スタッフも少なく、荷物もカートを借りてセルフで部屋に運び、レストランも大浴場も営業していない。こんな時期だからサービスはないことを承知している。その分通常より安くなっている。双方の折り合いがつくところがある。

 観光関連では通常営業しているところが少なく、営業店舗も感染対策を行っていることからも、営業していたパチンコ屋に客が集中したように、食事店や道の駅などは入場に行列ができる事態となった。

 全てが営業再開すればおのずから分散することになる。その観点から、すぐさま求める業績に至らずとも宣言解除を機に、多くのお店が対策して営業再開すべきである。

 プロ野球やサッカーは開幕待ちで大相撲は次の場所は中止となっている。生徒にとって次回や来年はないに等しい高校野球も全中や高校総体も中止となった。さぞや悔しかろう。とても可哀想で残念である。願わくば感染対策観戦で開催されることを望みたいものだ。

 目下の一番の課題はPCRや抗原検査数の拡大に他ならない。全ては全員が受けられ、即座に結果が出る検査態勢を、人、金、時間の全てを投入し早期に実現することしかない。そうすれば、スポーツ大会の選手や観客も、職場、学校、会合、出張、イベント、飲食も全てが陰性と判明して出かけられるなら、相手を疑うことなく誰もが安心して行動できることになる。

 昔の教室は、夏には冷房がなく、学習環境がよくない故に夏休みにはそれなりに合理性があった。しかし、今はエアコンが完備されつつあり決して悪い環境ではない。従って、3~5月とオンライン学習や家庭学習のみであった遅れを取り戻すには、夏休みは今年に限ってはお盆の1週間だけでよい。

 さらには、文化祭や体育祭のような特別活動をなくすなど、修学旅行までも中止論が出るなど極めて次元の低い話である。インフルエンザにかかり欠席したり学級閉鎖になるが、教室での教科学習が3日間なくても人生にそれほど大きな影響は及ぼさない。

 中学校や高校の3年間の最も印象的な出来事は何かと尋ねれば、その多くが千日を超える学校生活の中でわずか3~4日の修学旅行だとする生徒がほとんどである。単に思い出のみの話ではなく、人生の分岐点で行く道を判断するための、人間性や社会性を高めるためである。万難を排し必ず実施すべきである。

 
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