【体験型観光が日本を変える 149】持続可能な地方の時代に 体験教育企画社長 藤澤安良

  • 2020年1月8日

 亥(イノシシ)年の令和元(2019)年に思い残すことがあるかのように、年末にかけて都心付近の住宅や商店街にイノシシが相次いで現れた。環境問題も令和2(20)年に引き継がれるべき大きな課題だ。

 今年は56年ぶりの東京オリンピック・パラリンピックが開催される年でもある。多くの動きがその準備に向かうが、地方では聖火ランナーが走ることはあっても、どれだけプラスの影響を及ぼすのか現時点では推し計ることは難しいが、せっかく東京に来たのだから、日本のほかの地域に行ってみたいとする訪日外国人の誘致に知恵と行動が必要になる。

 日本の過去、1997年から20年にわたっての実質賃金は約90%と低迷しており、上位はスウェーデンの138.4%、オーストラリアの131.8%と続き、続き米国は115.3%である。消費が伸び悩むのは10月の消費税アップの影響が少なくはない。さらには、国民に密接な関係と信頼があった日本郵政グループの相次ぐ不祥事は、民営化したとは言うが国家体制が構築してきたシステムへの不安ともなる。

 社会保障、年金、高齢者の医療費など先行きの不安が払しょくされない現状ではお金を使わず、企業の内部留保は460兆円、家計の預貯金は1800兆円と動かないお金が大量に残る結果となった。

 9月に米国と合意した米国農産物の関税撤廃は約8千億円分にも上る。つまりは、肉や乳製品やワインなどに農家は大打撃を受ける懸念がある。農村がある地方はまたもや大きな課題を突き付けられることになる。現状ばかりに目をやり、もぐらたたきゲームのようにその場しのぎの対策ばかりでは、未来は開けない。

 社会の基本は安心して暮らせる未来があってこそだ。そうなれば何もかもが好回転することになる。日本の政治はいったい誰に優しいのか、誰もが声をそろえて「国民」だと言えなければならない。その間地方は存続に向けてあえいでいる。

 人口減少が既定路線である。バブル期の建造物の老朽化、その保守改修費用がない。交流人口拡大に向かうべきだが、魂を持ってつき進める人材がいない。ノウハウがない。コンサルタントは、お金を持って帰り、紙は残すが結果は残さない。こうすればよいとは言うが、自分はやらないし、人は育てない。

 地方創生、地域活性と叫ばれて久しいが、交流人口拡大の手法として、その地域にある自然や1次産業、あるいは歴史、文化、伝統工芸などを資源素材とする体験型観光を推進している地域をお手伝いしているが、新たなる経済として数千万円から億円を獲得している地域は増えつつある。つまり結果はついてきている。

 特段の秘訣が決してあるわけではない。運営財源がある組織と志の高い人材に、モチベーションとノウハウと行動指標を与えることである。

 令和時代は自然環境、食料生産現場、食文化、伝統芸術・工芸など多くの大切なものを滅ぼさないためにも、国家も地方自治体も本気・本腰で持続可能な地方の時代にしなければならない。

 
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