【令和時代における交通インフラの人材採用26】採用コストの方程式 女性バス運転手協会代表理事 中嶋美恵


 前回、「企業の理想の人材採用/重要項目5つの定義」について書かせていただきました。今回はその4項目目「できるだけ安価に」について解説します。言うまでもなく企業にとって人材の採用は非常に重要ですが、経費は最小限にとどめたいというのが実情です。現在、無料で掲載できるインターネット求人媒体も多数あります。「タダで採用できるならそれに越したことはない」「それでも、なぜいまだに高額な求人媒体を利用する会社があるのか」というご質問をよく受けますが、ケースにもよるとはいえ、やはり人材採用には予算が必要です。

 意外なことに、採用1人当たりにどれくらいのコストがかかっているか計算されていない、計算したことがないという企業が多く存在します。コストの見方は2通りあり、一つは「応募コスト」、もう一つは「採用コスト」です。応募コストの定義は1人当たりの応募にいくらかかっているか。方程式は「応募に使った総額」÷「応募人数」です。採用コストの定義は1人当たりの採用にいくらかかっているか。方程式は「採用に使った総額」÷「採用人数」です。これを意識することにより毎年コストを見直すことが可能になります。

 近年、人材紹介会社へ大卒新人の紹介を依頼する企業が増えていますが、「大卒新人の紹介料」の相場はご存じでしょうか。文系が80万円、理系や院卒の場合は100~120万円ほどです。即戦力とは言えない学卒1人を採用するのに、これくらいの予算が必要だということです。ちなみに日本の有料職業紹介(一般でいう人材紹介)の紹介料の平均は「年収の30~35%」です。日本人の平均年収である400万円の方を人材紹介(紹介料率30%で)で採用すると400万円×30%=120万円の紹介料を支払うこととなります。

 採用は、業界、職種、雇用形態、時期、時代、求めるポテンシャル、エリア等々により無料で可能な場合もあれば、相応の予算が必要な場合もあるということになります。まだまだハローワークからの応募が好調だという地方もありますが、全国的に減少傾向です。また、自社のホームページの採用情報だけで十分採用できているという会社も少数派です。

 少子高齢化社会で労働人口の減少が進む昨今、人材の存在価値、その採用が否応なしに見直されています。

 (リッツMC代表取締役社長兼女性バス運転手協会代表理事)

 
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