【交通トレンド分析99】ゆいレールの客層がコロナ禍で大きく変わった 航空・旅行アナリスト 鳥海高太朗


 那覇空港と那覇市内(那覇空港駅―てだこ浦西駅)を結んでいる沖縄都市モノレール「ゆいレール」。コロナ禍で客層が大きく変化している。筆者も今年に入ってから何度か利用しているが結論から言うと、那覇市内や周辺地域に在住している方が中心で観光客の姿はわずかしか見られない。

 最も驚いた経験としては昨年12月に最終便に搭乗する前に旭橋駅から那覇空港駅まで利用した際、那覇空港手前の赤嶺駅から那覇空港駅までの区間、私1人しか利用者がいなかったという経験をした。コロナ前までは日本人だけでなく、台湾、中国、韓国、そして東南アジアからの旅行者も大きなスーツケースを持って「ゆいレール」を利用する光景が見られたが、今は外国人がほぼ皆無であるとともに、日本人の沖縄での旅行スタイルもリゾートが中心となったことに加えて「密」を避ける意味でレンタカー利用が中心となったことで、観光客の減少と共に、レンタカーの利用比率が高まったこともあり、観光客の「ゆいレール」利用者が少なくなっている。

 過去に「ゆいレール」を利用した際の写真を振り返ってみたところ、2017年8月1日のダイヤ改正を告知する掲示を見つけることができた。私も鮮明に記憶しているが、観光客の増加に伴って年々運転本数を増やしていただけでなく、日本国内の公共交通機関では珍しく、「平日(月曜~木曜)」「金曜日」「土曜日」「休日(日曜・祝日)」の四つのダイヤに分けられている。17年8月のダイヤ改正時においては、平日ダイヤで247本、金曜日ダイヤ267本、土曜日ダイヤ237本、休日ダイヤ217本となるなど、日中時間帯はほぼ8分間隔で、平日の朝は4、5分に1本、夕方は6分に1本となるなど、待ち時間なく利用できるようになっていた。4月に那覇へ取材で出かけた際に利用したが、現在では「平日(月曜~金曜)」「休日(土休日)」の二つのダイヤになっており、平日239本、休日(土休日)201本で、日中時間帯は10分に1本、平日の夕方は7分に1本となっている。若干本数は減っているが、10分に1本は走っているので、これまで通りに那覇市内への交通手段として利用されることになるだろう。

 また、昨年3月10日よりJR東日本Suicaの利用が開始され、Suicaと提携するPASMO、ICOCAなど日本全国のICカード乗車券で乗れるようになったことで、駅で切符を購入せずに乗車することが可能となっている。

 早くコロナが落ち着き、また「ゆいレール」に観光客が戻ってくる日が来ることを願いたい。

 (航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
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