
宮古島から伊良部大橋経由で約20~30分でアクセスできる下地島(みやこ下地島空港)へスカイマークが10月25日から羽田から1往復、神戸から1往復、那覇から2往復の合計3路線、4往復が同時就航した。スカイマークにとっては一つの空港から同じ日に3路線を同時就航するのは初めてで、私は羽田空港からの初便取材で下地島へ向かったが、コロナ禍の中にも関わらず満席での出発となった。羽田からの国内線新路線は久しぶりになるが、このタイミングでの就航の理由は国土交通省による「羽田発着枠政策コンテスト」で羽田―下地島線の暫定運航が認められたからである。今回、JALの羽田―三沢線の増便分(1日3往復↓4往復)も同様に政策コンテストによる暫定運航という形になっており、この2路線が2年間の実績をみた上で最終的にどちらかが運航を継続するという形になる。
今回、スカイマークは羽田―下地島線のみの就航ではなく、神戸、那覇からの路線を一気に就航させた。特に那覇―下地島線ではスカイマークの就航地である茨城、中部、福岡などから那覇経由でのスムーズな乗り継ぎができる運航スケジュールを組んでいる。羽田―下地島線は旅行者が利用しやすい時間帯になっており、早起きする必要もない。羽田空港を11時5分に出発し、下地島空港に14時35分着。空港でレンタカーを借りてホテルへ移動するとそのままホテルのチェックインが可能な時間だ。
現在、下地島空港にはトヨタレンタカー、オリックスレンタカー、OTSの3社しかレンタカーオフィスがなく、満車になることも多いので早めの予約を心掛けたい。空港内からそのまま出発できる。また羽田へ戻る便は、下地島発は18時45分で羽田には21時25分に到着することから最終日も夕方まで思う存分遊んでから東京に戻ることも可能だ。
三菱地所などが中心となって建てられた下地島空港のターミナルビルは2019年3月に開業し、開港直後からジェットスター・ジャパンが成田―下地島線を就航した。今回、スカイマークは国内線を運航する2番目の航空会社となったが、下地島空港のターミナルビルはリゾート空港にふさわしい造りで、天井の高さと吹き抜けの感じがリゾート感を醸し出している。羽田や神戸からノンストップで就航したことで宮古諸島における経済効果も期待できるだろう。
一気に3路線4便が下地島に乗り入れることで、コロナ禍ではあるが国内需要が回復傾向にある中で宮古島への旅行者が増えることになりそうだ。
(航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)