【交通トレンド分析7】顔認証ゲートで日本人の出入国がスムーズに 航空・旅行アナリスト 鳥海高太朗

  • 2019年6月12日

 海外へ向けて出国、海外から戻ってきた帰国の際にこれまでは当たり前のように出国、入国のスタンプが押されていたが、法務省が進めている「顔認証ゲート」を本格導入したことで、羽田、成田、中部、関西、福岡の5空港から出入国する場合には、希望者を除いて原則は押されないようになった。顔認証ゲート導入前には指紋認証による自動化ゲートにより、事前に指紋を登録した人に限って利用可能であったが、顔認証ゲートは事前の登録は一切不要で、一人で機械の操作ができない場合や子供など身長135センチ以下の場合を除いては、対象5空港から出発、到着する場合には基本的に顔認証ゲートを利用するように空港で案内される。パスポートを旅券リーダにかざした後、顔撮影が行われるとゲートが開く仕組みになっている。初めてでも非常に簡単で時間をかけずに審査を終えることができるので、利用者からは好評だ。

 従来の指紋認証による自動化ゲートもそのまま運用されており、登録者はどちらを使っても特段問題はない。

 顔認証ゲートによる大きなメリットは、外国人の入国ブースに入国審査官を多く配置できるメリットがある。年間3千万人を超えるインバウンド(訪日旅行客)に各空港では対応できなくなっており、入国審査に1時間以上要することは珍しくない。実際に筆者が5月上旬に成田空港第1ターミナル南ウイングに15時前後のピーク時に到着した際には、日本人は顔認証ゲートでスムーズに通過できていたのに対し、外国人の列はあふれんばかりの人で、現在一部工事中の場所もあり、途中の通路も日本人が歩けないくらいの長い行列となっていた。

 政府もインバウンド増加へ向けて、今年1月からスタートした国際観光旅客税(いわゆる出国税)を創設し、ストレスフリーで快適に旅行できる環境の整備の一環として、顔認証ゲートの積極的な導入など出入国審査に税収の一部が使われる。私は真っ先に日本として取り組むべき問題であると思う。

 今後インバウンドに求められるのは「リピーター需要」。日本を好きになってもらって複数回、訪れてもらうことが重要になってくる。入国審査に時間を要するのはストレスでしかない。外国人からも千円を徴収していることを考えても混雑が解消するまでは重点的に予算を配分するべきだと思う。目標としては行列に並んでから30分以内で入国できるようになることだろう。関係者の努力は伝わっており、混雑解消へ向けて良い方向に進んでいることだけは間違いない。

(航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

関連する記事

すき焼きで有名な博多の老舗「中洲ちんや」が、先月惜しまれつつ71年の歴史に幕を閉じた。二代目経営者で女将の古賀人美さんが生まれた年に精肉店として開業、その後飲食店も併設し…

続きを読む

2019年8月から楽天トラベルにおいて、料金体系と基本規約が改訂になるが、その中で最低・同一料金保証の条項が消える。施設にとってはどのチャネルでどういう販売戦略をとるのか…

続きを読む

前回までの「観光と福祉」というテーマから一転して、今回からはしばらく、「宿泊関連研究部会」(以下、「JAFIT宿泊部会」という)のメンバーでリレーさせていただく。 筆者…

続きを読む

新聞ご購読のお申込み  ベストセレクション

 メルマガ申し込み

注目のコンテンツ

第32回「にっぽんの温泉100選」発表!(2018年12月15日号発表)

  • 1位草津、2位別府八湯、3位下呂

2018年度「5つ星の宿」発表!(2018年12月15日号発表)

  • 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」は?

第32回「にっぽんの温泉100選・選んだ理由別ベスト100」(2019年1月1日号発表)

  • 「雰囲気」「泉質」「見所・体験の充実」「郷土の食文化」の各カテゴリ別ランキング・ベスト100を発表!

18年度「部門別・旅館ホテル100選」(2019年1月12日号発表)

  • 「料理」「サービス」「風呂」「施設」「雰囲気」のベスト100軒

観光経済新聞の人材紹介

  • 旅館・ホテルの人材不足のお悩み無料相談はこちら
Visit Us On FacebookVisit Us On TwitterVisit Us On InstagramVisit Us On Youtube