【交通トレンド分析65】コロナで増えたレンタカー旅行 航空・旅行アナリスト 鳥海高太朗


 お盆期間中の国内線や新幹線の利用者は大幅に減少し、昨年と比べて2割から3割程度の利用者しかおらず、特に夏休み中の帰省を控えたこともあり、飛行機も新幹線も空席が目立つ異例のお盆期間となった。新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が解除された後、「密」を避ける意味で利用が増えているのが自動車を使った近距離旅行だ。車を使うことによって、自宅から数時間程度離れた場所に旅行へ出かけ、その多くは日帰り旅行であるが、都心からであれば箱根や熱海、軽井沢など車を使って数時間で出かけられる場所へ旅行し、そのまま現地で1泊か2泊してから戻るという旅行パターンである。

 旅行スタイルも観光中心というよりは、リゾートホテルや旅館など宿泊施設の中でゆったり滞在するというケースが増えている。「ステイホーム」が続いたこともあり、自宅以外の場所でリフレッシュしたいという需要が増えており、私も箱根、熱海、軽井沢の様子を取材したが、例年に比べると観光客数は減少しているが、それでも宿によっては満室に近い予約が入っているところもあり、街の中もある程度の人が旅行に来ていた。

 自分の車を持っている人であれば自家用車で旅行できるが、車を保有していない人も車で旅行へ出かけたいという需要も増えたことで、最近利用が多いのがレンタカーとカーシェアだ。レンタカーやカーシェアであれば、他の旅行者と一緒に同じ空間で移動することを避けられ、特に「タイムズカーシェア」などのカーシェアであれば自宅の近くから出発することも可能になっている。

 タイムズカーシェアでは、事前の登録が必要となり、月間の基本料金として880円が必要となるものの(利用料金に880円分の充当が可能)、通常は15分あたり220円(べーシックの場合)となるが最大時間料金が設定されており、12時間まで6490円(+1キロ走行ごとに16円)、24時間まで8690円(+1キロ走行ごとに16円)、36時間まで1万1990円(+1キロ走行ごとに16円)でガソリンも含まれている。レンタカーであればさらに安く利用できることも多いが、自宅近くの「タイムズ」から出発できるというメリットは大きく、私も週末に東名自動車道や東京湾アクアラインを走行していたが、多くのカーシェアの車が走っていたほか、観光スポットでも駐車している光景が見られた。

 しばらくは「密」を避ける意味でも飛行機や新幹線などには乗らずに、自宅から車で行ける近場に出かける傾向がしばらくは続くことになるだろう。

 (航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
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