【交通トレンド分析54】5月最後の週末、国内線利用が増加傾向 航空・旅行アナリスト 鳥海高太朗

  • 2020年6月10日

 東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、北海道の緊急事態宣言が5月25日に解除されたことで、5月30、31日の週末は、これまで国内の長距離移動を控えていた人の移動も大きく増えた。国内線では25日の時点で羽田―大阪(伊丹)線などを中心としたビジネス路線の多くの便で予約が一気に増えたほか、ANAでは5月は約85%の国内線が運休したこともあり、急激に予約が増えたことに対応すべく5月29日から31日までの3日間、羽田―大阪(伊丹)線で臨時便を設定した。新幹線も含めて利用者は回復傾向にあり、利用者数の底は5月だったことは間違いなく、6月は緩やかではあるが上昇に転ずるだろう。

 私は5月31日の日曜日、成田空港の第3ターミナルでピーチ、ジェットスター・ジャパン、スプリング・ジャパンの3社が集まり、合同のお見送りイベントを開催するということで取材へ出かけた。取材対象便の搭乗者数は、スプリング・ジャパンの佐賀行きは46人、ピーチの新千歳行きが62人、ジェットスター・ジャパンの新千歳行きが141人だったが、緊急事態宣言中は20~30人程度で便によっては1桁の便も出ていた。

 まだまだ6月中は従来の運航予定に比べると3割程度の運航にとどまる。6月1~18日までの間は、最後まで緊急事態宣言が出ていた1都3県および北海道との県外移動は慎重にするように呼び掛けられており、本格的に県外移動の自粛がなくなる予定の6月19日以降からは、不要不急な移動以外の旅行需要での飛行機や新幹線利用も増えていく可能性が高いだろう。レジャー需要の利用比率が高いピーチは6月19日に成田発着国内線の全路線を再開させることになり、再開路線には、奄美大島や石垣線も含まれている。

 このまま新型コロナウイルスの感染者が収まってくれば、夏の旅行シーズンにおいては国内観光地への便が確保されることになるが、既にアフターコロナを見越して夏の海外渡航が難しいことから国内の旅行先に予約を入れる旅行者が増えている。同時に政府の「Go Toキャンペーン」開始を待っている人も多く、本格的に旅行需要が回復傾向に進むのはGo Toキャンペーンのスタート時期が発表された段階になるだろう。海外からの訪日旅行客(インバウンド)が見込めない中で、新型コロナウイルスの状況を見ながらにはなるが、「STAY HOME」が長期間続いたことで、今まで以上に旅行に出かけたいと考えている人も多い中で、現状7割程度の運休便が夏には1~2割程度まで減ってほしいものだ。

 (航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
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