【交通トレンド分析44】那覇第2滑走路、コロナ問題で静かなスタート 航空・旅行アナリスト 鳥海高太朗


 26日に念願だった那覇空港の第2滑走路の運用が開始される。現在の第1滑走路に西側を埋め立てるなど、2014年に着工してから約6年での運用開始となる。従来1本だった滑走路が2本に増えることにより、従来の年間発着回数13万5千回から24万回に増加する。特に国際線の新規就航の受け入れが可能になるほか、慢性的な那覇空港の遅延解消が期待されている。

 那覇空港の現在の滑走路(第1滑走路)の長さは3千メートルで、新しい第2滑走路も2700メートルを誇ることでボーイング777型機の離着陸にも問題がなく、機体の大きさに関係なく両方の滑走路が利用でき、基本的にはターミナルビルに近い第1滑走路は離陸用、第2滑走路は着陸用として運用される計画となっており、1時間あたり最大54回の離着陸が可能となる。ただ、第2滑走路を使用する場合には第1滑走路を横切る必要があり、2本の滑走路をフルに活用することはできないが、混雑が慢性的な空港においては待ちに待った新滑走路の運用開始となる。

 現在の那覇空港はとにかく遅延が頻繁に発生し、那覇空港到着が遅延すると、折り返し便が遅延することはもちろん、石垣・宮古・久米島など離島への乗り継ぎでも、乗り継ぎ客を待って遅延させて出発する場合も多く、最近では那覇乗り換えを敬遠して、石垣や宮古へはできる限り羽田や関西などからの直行便を使う傾向になっている。那覇発着便利用時は、常に時間に余裕を持ったスケジュールを組む必要があったが、今回、2本目の滑走路が運用されることで遅延が少なくなることに期待したい。

 筆者は12、13の両日、那覇空港を利用したが、新型コロナウイルスによる影響で空港利用者が少ない状況になっていた。しかしながら、他の国内線に比べると卒業旅行をはじめ若年層の利用が多い時期ということもあり、キャンセルせずにそのまま予定通りに沖縄へ遊びにきたグループが機内でも多く見られ、筆者が那覇から羽田へ戻る便は多くの席が埋まっていた。

 とはいえ、那覇市内のホテルや国際通りなどはいつもと比べると閑散としていた。その理由は他の地域同様に訪日外国人が一斉にいなくなったからだ。本来であれば第2滑走路のオープンに合わせて、増便や新規就航する海外航空会社も予定されていたが、台湾や東南アジアなどの一部便を除いて、ほとんどの便が運休となっており、特に国際線エリアは閑散としている。

 今は我慢の時期であるが、新型コロナウイルス問題が終息した後に、活気のある那覇空港が見られる日を楽しみに待ちたい。

 (航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
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