【交通トレンド分析35】5月就航「ZIPAIR」のビジネスクラスは衝撃 航空・旅行アナリスト 鳥海高太朗

  • 2020年1月6日

 JALが全額出資する国際線中長距離路線専門のLCCとして5月から運航開始予定の「ZIPAIR」の機内がメディア関係者にお披露目された。既存のLCCではエアバスA320型機やボーイング737型機などの小型機が中心であったが、今回、ボーイング787型機を使い、5月14日からバンコク、7月1日からソウルへ就航し、就航1年後をめどに北米路線に進出する計画だ。フルサービスキャリアでは200席程度の座席数の設定をZIPAIRでは290席にすることを発表した。エコノミークラスに相当する「Standard」を272席、ビジネスクラスに相当する「ZIP Full―Flat」を18席設置する。

 Standardは、LCCらしく大手航空会社のエコノミークラスに比べると足元が狭い。だが横幅はしっかりと確保されていたのでLCCの中では決して悪くないだろう。

 それ以上に衝撃を受けたのがビジネスクラス、ZIP Full―Flatだ。日本乗り入れの国際線中距離LCCの中ではエアアジアXのビジネスクラスが2人掛けのライフラットシートを採用しており、ZIPAIRもそれに近いものを出すのではないかと推測していたが、実際にふたを開けてみると、なんとフルサービスキャリアのビジネスクラスの主流である全席通路側アクセスで隣を気にせず過ごせる1人掛けのシートを採用したのだ。

 ZIPAIRの西田社長によると、アメリカ路線への就航を考えた際に、機内サービスなどはエコノミークラスと同じく必要なものを有料化していく中で、一つのオプションとして、快適に移動したい人にワンランク上のシートを提供する意味での設置とのことだ。

 ビジネスクラスであっても機内食や各種機内サービスはエコノミークラス同様に有料化を検討している。このシートは、機内食や機内エンタメなどを気にしないのであれば、フルサービスキャリアのビジネスクラスと同レベルの快適なシートで移動でき、それでいて運賃が安いZIP Full―Flatを選ぶ利用者が増えるだろう。シートモニターは装着されていないが、機内Wi―Fiサービスは有料で提供される予定なので、それほど機内で退屈することもないだろう。

 一番重要なのは当然ながら運賃となる。現時点ではまだ発表されていないが、フルサービスキャリアに比べてどのくらい割安な運賃設定がされるのかがカギになってくるだろう。後発組という点も含めて魅力を全面に出す必要がある。また290人を一度に運べることで日本人の海外渡航だけでなく、インバウンド(訪日旅行客)にも大きく貢献することになる。2020年、航空業界の風雲児になることは間違いない。

 (航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
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