日本で飛行機を利用する場合、国内線・国際線問わず、ANAやJALなどのフルサービスキャリアは預け手荷物は無料、LCC(格安航空会社)は1個目から有料というのが一般的となっているが、北米やヨーロッパ内の短距離フライトを利用する場合、LCCはもちろんであるが、最近ではほとんどのフルサービスキャリアでも預け手荷物は有料となっており、荷物が含まれている運賃で予約するか、預け手荷物の料金を事前に追加しておかないと、預けることができない。
当日空港で預け手荷物を追加する場合には、事前購入よりも割高に設定されていることが多く、預ける荷物について事前に確認する必要がある。
アメリカ国内線では1個あたり35~40ドルが中心となっており、ヨーロッパでも1個あたり30ユーロ程度が相場となっている。
スターアライアンス、ワンワールド、スカイチームなど各アライアンスの上級会員になっていると、多くの場合は1個の預け手荷物を無料で追加されることが多いが、筆者が先日利用したパリからロンドンまでのブリティッシュ・エアウェイズでは、預け手荷物が含まれていない運賃の場合は上級会員の追加1個は加算できず、1個含まれている運賃は2個に追加できるルールになっている。航空会社によってルールが異なるので事前にルールを確認しておきたいところだ。
日本円換算で預け手荷物が1個あたり5千円以上かかることもあり、北米内やヨーロッパ内のフライトはとにかく機内持ち込みの荷物が多く、座席上の収納スペースが常に機内持ち込み可能なキャリーバッグで埋め尽くされている。
航空会社によって7キロや10キロなどの機内持ち込み制限があるが、ギリギリの重量まで持ち込むことが主流で、荷物がある場合は早めに飛行機に搭乗することが望ましい。
コロナ禍の間は人手不足で、特にヨーロッパでは到着空港で荷物が出てくるまで1時間以上かかることや、乗継便の荷物が載せ替えできていないなどのケースもあったが、筆者が今年に入ってから何度か利用した限り、荷物のトラブルはかなり解消されている。
筆者自身は旅行先や出張先でもテレワークがしやすくなったこともあり、荷物がコロナ前よりも増えており、海外へ渡航する場合には預けることがほとんどで、特に往路は現地で買うよりも日本の方が安いソフトドリンクやいつも飲んでいるお茶のペットボトルなどをスーツケースの中に入れることが多い。海外へ出かける場合の預け手荷物のルールはしっかり確認しておこう。
(航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)