今年は昨年以上に大谷翔平選手と山本由伸投手が所属するロサンゼルス・ドジャースのゲームをスタジアムで生観戦することを目的にロサンゼルスを訪れる人が増えそうだ。ロサンゼルス空港を何度も利用したことがある人には知られているが、ロサンゼルス空港では到着ロビー前からタクシーやライドシェア(UberやLyftなど)に乗車することはできず、ターミナルから少し離れた「LAX―it」というタクシー・ライドシェア専用乗り場から乗車しなければならないルールになっている。知らないでタクシー乗り場を探してもタクシー乗り場はなく、LAX―itへ向かう無料バスに乗車しなければならないのだ。
ロサンゼルス国際空港には、全部で九つのターミナルがあり、利用する航空会社に使用するターミナルが決められている。ANAやJAL、JALグループの国際線中長距離LCCのZIPAIRを利用する場合には「トムブラッドレーターミナル」からの発着になるが、到着ロビーに出た後にタクシーやライドシェアに乗りたい場合にはターミナルの外に出て右側に進んでいくとLAX―itへのバス乗り場があり、基本的には5分前後待てばバスに乗れる。無料なので、そのまま乗車すれば問題ない。各ターミナルを経由して、「トムブラッドレーターミナルからだと10分ほどでLAX―itに到着する。タクシーへの乗車であればバスを降りたすぐ前から乗車可能となっている。
またUberやLyftなどのライドシェアに乗車する場合は、LAX―itに到着後にスマートフォンのアプリから配車すると、どの乗り場からの乗車になるのかが配車される車のナンバーと共に表示され、乗り場で待っていると自分が乗る予定の車がやってくる仕組みとなっている。
ちなみにロサンゼルス市内から空港へ向かう場合は利用するターミナルで直接降車することが可能となっている。
LAX―itという専用乗り場をターミナルとは別の場所に設置している理由は、ターミナルの周回道路の大渋滞。専用乗り場を設けている現在でも、多くの時間帯で渋滞しており、空港エリア内に入ってから時間を要している。特に到着フロアの渋滞が激しい。もし乗客とマッチングするライドシェアがターミナル内から乗車可能になればさらに渋滞が増えることから専用乗り場、LAX―itをターミナル外に2019年10月に設けたのだ。
慣れれば特に難しくないが、最初は戸惑うこともあるので、ロサンゼルス空港利用時は事前に頭に入れておくといいだろう。
(航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)