JRのダイヤ改正が3月16日に全国各地で実施されるなか、北海道の玄関口となる新千歳空港利用者にとっても新千歳空港駅と札幌駅を結ぶ快速「エアポート」が増発され、3タイプの停車駅が異なる快速が運転される。そこで変更点も含めて整理してみる。
大きな変更点としては日中時間帯の9時台~16時台は従来の1時間5本から6本となり、平均すると10分間隔で運転される。ただし、この1時間あたり6本の内訳は「特別快速」が1本、「快速」が3本、「区間快速」が2本となる。
今まで日中時間は設定がなかった「特別快速」が昼間にも1時間1本走ることになり、新千歳空港から札幌駅まで停車駅は、南千歳と新札幌のみとなっており、最速36分で結ぶ。従来からの「快速」は1時間あたり3本となり、停車駅は南千歳、千歳、恵庭、北広島、新札幌で現状と変わらない(所要時間37~39分)。
そして1時間あたり2本が新たに設定されるのが「区間快速」で、新千歳空港から北広島までは各駅に停車し、北広島からは新札幌のみの停車となり、43分程度の所要時間となる。
また、指定席「uシート」(840円)は、「特別快速」「快速」「区間快速」ともに設定される。最近はインバウンド利用も含めて、指定席が満席になることも多く、特に札幌駅発は時間が決まった段階で予約することをおすすめする。JR東日本のインターネット予約サービス「えきねっと」から購入すれば、チケットレス乗車が可能で、乗車券はSuicaなどの交通系ICで利用できる。
そして利用者にとって重宝するのが、新千歳空港から札幌駅までの最終列車が従来の22時53分発の後に23時21分発の「特別快速」が新設されることで、最終が28分繰り下がり、23時前後に到着してもその日のうち(23時54分着)に札幌駅に到達でき、遅い便の利用でも安心して利用できるようになった点は大きく評価できる。
ただ分かりにくくなった点もある。従来の1時間あたり5本の時は12分間隔だったが、5本↓6本に増発されるが発車時間がバラバラで、札幌駅発の12時台の場合、00分(快速)、04分(区間快速)、19分(快速)、30分(特別快速)、34分(区間快速)、49分(快速)といった感じで最大15分空くこともある。
一方で新千歳空港駅発の日中時間帯は、ほぼ10分間隔で運転されるので分かりやすい。
2020年に1時間5本ダイヤになった時も驚いたが、混雑する列車もあるなかで、今回1時間6本ダイヤが混雑緩和につながることを願うばかりだ。
(航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)