【交通トレンド分析194】羽田国際線の保安検査場が少し改善 鳥海高太朗


 5月21日の日曜日の午前中、2カ月ぶりになるが羽田空港第3ターミナルから台湾へ向けて出発した。以前からこのコラムでも指摘してきたが保安検査場混雑、3月利用した際には保安検査場を通過するだけで1時間の時間を要した。今回は午前10時過ぎの出発で朝8時ごろに羽田空港に到着し、チェックインを済ませてから保安検査場に再び長い行列ができていた。現在でもマイレージの上級会員やファースト・ビジネスクラス利用者向けの優先レーンは復活していないが、JAL便・ANA便利用者の多くは保安検査場の顔認証システム「Face Express」の利用が可能で、チェックイン後に専用の機械でパスポートデータ、搭乗券データ、そして専用の機械で登録する顔データをひも付けることで、保安検査場手前の通常では搭乗券をスキャンして通過するところを顔認証だけで通過できる。前述の上級会員の優先レーンはないが、Face Expressに限って優先レーンがある。

 3月の時点ではJAL便では全便で利用可能で、ANA便では一部便のみであったが、4月以降はANA便もほとんどの便で利用できるようになり、私も今回はANAの台北行きで利用することができた。私もそうだが、利用対象者が増えたことで以前に比べてFace Expressを済ませた人が対象のレーンも列ができるようになっていた。それでも15分程度で保安検査場の中に入ることができたのだが、3月と今回の5月で変わったのが、人が通る方の保安検査の方式だった。

 羽田空港第3ターミナルでは従来は全身スキャナーといって、指定の場所に立って手を頭の付近に上げて肘は横に伸ばす形で全身をスキャンする形の方式を採用していたが、今回は国内線同様の人が通過する形の検査方法に変更されていた。これは推測だが、全身スキャナーの場合は1人あたりの通過時間が長く、保安検査員の人数も従来に比べて多くする必要がある。従来型の方が全身スキャナーよりも最低でも1人は少なく済むように思う。全身スキャナーの方が厳密な検査が可能となるが、今回、従来型に一時的に戻したことは少しでも行列を短くすることを優先したのだろう。保安上問題なければ、今回の判断は利用者にとってもありがたいことで、明らかに同じ行列でも以前よりも列が進むスピードは速くなった。

 既に手荷物は最新型のスマートレーンでパソコンも外に出す必要がなくスムーズだ。保安検査場混雑もピークは過ぎたかもしれないが、従来に戻るにはもう少し時間がかかりそうだ。

 (航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
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