【交通トレンド分析184】東海道新幹線グリーン2席を1人で使える 鳥海高太朗


 JR東海からユニークな新幹線チケットが発売されることになった。東海道新幹線「のぞみ」のグリーン車を1人で利用する場合において、隣の席も確保することで2席を1人で利用できることを確約する切符を発売することになった。JR東海のネット予約「EXサービス」(個人会員と一部の法人会員)のみで購入可能な「EXグリーンプラスワン」という商品である。4月8日~6月30日の乗車分が対象で(4月28日~5月7日を除く)、乗車2日前の朝5時30分~発車時刻の4分前までの発売となる(発売開始は4月8日となることから、4月8日、9日、10日分は4月8日の朝5時30分発売)。

 JR東海の発表によると、発売席数は列車ごとに限りがあるとのことだ。2日前からの発売ということで、ある程度残席が見込める場合に設定される可能性が高そうだ。設定は、東京・品川・新横浜―名古屋・京都・新大阪となる。発売額は東京・品川―名古屋で1万8140円(通常のEX予約では1席1万3970円)、東京・品川―京都で2万3320円(通常のEX予約では1席1万7930円)、東京・品川―新大阪で2万3860円(通常のEX予約では1席1万8480円)となっている。通常のEX予約と比べると4千~5千円強の追加料金でもう1席が確保できる計算となる。

 東海道新幹線を利用する際、全16両編成のうち3両を占めているグリーン車は、混んでいなければ隣の席に誰か来ることは普通車(指定席・自由席)に比べると少ないが、週末や混んでいる時間帯では隣に来ることも多い。普通車でも同様ではあるが、正直な部分としては、1人で新幹線に乗る場合においては、隣が空席であるだけでも同じ座席でも快適度はアップする。さらにノートパソコンで仕事をする場合においても、隣に人がいることで落ち着かないこともあるが、隣が空席であれば仕事に集中することができるほか、トイレに行く場合でも気にせずに席を立つことができる。

 東北・北海道新幹線や北陸新幹線、上越新幹線にはグリーン車よりもさらにグレードが高い「グランクラス」を設定しているが、東海道新幹線は、昔はグリーン個室が付いていた時期もあったが現在は普通車自由席、普通車指定席、グリーン車のみの設定となっており、東海道新幹線においては全ての「のぞみ」「ひかり」「こだま」が16両編成で運転されている。隣が来なければ追加料金の意味はないが、2日前の段階で確定できるメリットはあり、実際にどのくらいの人が使うのかにも注目だ。

 (航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
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