【交通トレンド分析175】12月は多い、上級会員狙いの追い込み登場 鳥海高太朗


 ANA・JALの各マイレージプログラムでは、毎年1~12月までの搭乗実績を基に翌年4月~翌々年3月までの上級会員のランク(ステイタス)が決まる。ANAマイレージクラブでは「プレミアムメンバーサービス」、JALマイレージバンクでは「FLY ON プログラム」などという名称で上級会員制度が用意されている。会員ランクに応じて3万ポイント、5万ポイント、8万ポイント(JALのみ)、10万ポイントを到達することで翌年度に受けられるサービスが変わることから1年をかけてポイントをためることになる(JALでは搭乗回数での到達も可能)。

 上級会員になるためのポイントは、クレジットカード利用でたくさんのマイルをためても加算されず(ただしANAではカード利用額+指定サービスを獲得すると上級会員になるためのポイントが下がる)、あくまでも飛行機への搭乗実績でポイントが加算され、ANA・JAL共に日本国内線は1マイル=2ポイント、国際線は1マイル=1ポイント(一部アジア路線などは1・5ポイント)となっている。

 例年、12月にはポイントが足りなくて駆け込み搭乗するケースが目立つが、今年はANA・JAL共に国内線・国際線共にポイント2倍キャンペーンを実施したことで例年以上に上級会員のハードルが低くなっている。そのため、私の肌感覚としては例年以上にこの12月の追い込み搭乗が続いているように感じた。

 いわゆる旅行がメインではなく、飛行機でポイントをためることが目的の搭乗であり、特にポイントが一気に稼げる羽田―那覇、石垣、宮古などの路線が人気で、中には空港から外に出ないで、乗った飛行機でそのまま出発地に戻る「タッチ」と呼ばれる修行(機内で長い時間を過ごすという意味)も増えており、さらにポイントが多く獲得できる上級クラス(ANA「プレミアムクラス」、JAL「ファーストクラス」)の沖縄路線は平日も含めてほぼ全便が満席になっている。

 上級会員になることで、ラウンジの利用、優先チェックイン、優先保安検査場、優先手荷物の引き渡し、空席待ちの優先などのサービスが受けられるメリットがあり、最上級のダイヤモンド会員を目指す人もいる。追い込み搭乗には二つの種類があり、出張など仕事を中心にポイントをためてあと少しポイントが足りないことから最後にポイント獲得目的で出かける場合と年間計画で上級会員になることを目指して旅行よりもポイント目的で最後に追い込み搭乗する場合の二つがあるのだ。

 また、1月から新たに2024年度の上級会員のポイント獲得が始まる。

 (航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
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