【交通トレンド分析141】下地島空港ターミナル3周年、リピーターも 鳥海高太朗


 宮古島から伊良部大橋でアクセスできる下地島空港。かつてはANAなどがパイロットの訓練などで使われていた。現在は、海外での訓練が中心となり、一部訓練で使われている。

 今から3年前の2019年3月に三菱地所が中心となって建設したターミナルビル(みやこ下地島空港)がオープン。定期便の乗り入れを開始し、就航当初はジェットスター・ジャパンのみだったが(成田、関西※現在は成田のみ)、そして2019年7月に初の国際線となる香港エクスプレスの香港線(現在はコロナ禍で運休中)、さらに2020年10月にはスカイマークの羽田、神戸、那覇の3路線が開設された。

 このうちスカイマークの羽田―下地島線については、国土交通省が配分を行う「羽田発着枠政策コンテスト」枠の最後の1枠をJALの羽田―三沢線と競う形のトライアル期間は、当初2020年10月25日から1年間で評価する予定であったが、新型コロナウイルスの影響で審査期間が1年半延期され、2022年3月27日からの夏ダイヤからのスタートとなった。

 開業3周年のイベントが開催された下地島空港には、私も3月27日に取材で現地に飛んだが、何回利用しても満足度の高い空港である。到着時は、到着ロビーまでの導線も短く、平屋建てということで、飛行機のタラップ以外に段差がなく便利だ。到着ロビーの目の前ですぐにレンタカーの手続きが可能で、レンタカーカウンターの目の前の駐車スペースから出発できるのは楽であり、ストレスを感じない。

 さらに、下地島空港から出発する際には保安検査場通過後の待合室は高級ホテルのラウンジのようなゆったりとした空間がある。レストランで注文できる泡盛カクテルを飲みながら、リラックスしたり、宮古そばや名物の「20種類の野菜と宮古マンゴーカレー」を食べたりできる。コンセントも充実しているのでパソコンでゆっくり仕事をしたりすることもできるなど、リゾート地の空港にふさわしい空港なのだ。

 取材に応じたスカイマークの洞駿代表取締役社長執行役員は、「海外旅行に行けない方が国内のリゾート地へ足を向けていただけるかと期待している。予約の入りもコロナ前に戻っていると感じている」と話す。また、座喜味一幸宮古島市長も「宮古島は家族連れから、若い人のグループ、スポーツをする人、ゴルフをする人など多様なニーズが動きだしていることを実感している。コロナ明けに宮古島に来ていただきたい」と話すなど、今年は海外へ行けない需要を取り込むことを目指す。

 (航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
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