【交通トレンド分析140】まん延明けの最初の週末、羽田空港がにぎわう 鳥海高太朗


 3月21日、年明けから続いていた「まん延防止等重点措置」が解除された。旅行業界、鉄道・航空各社では、春休み直前の段階での全国全てでの解除となった。解除された最初の週末である3月26日の午前中に羽田空港で取材をしていたが、出発ロビーには多くの旅行者の姿が見られた。

 この日は、ANA小山田亜希子執行役員(東京空港支店長)が取材に応じ、その中で春休み期間中(3月25日~4月5日)の予約状況について、コロナ前の2019年春休みと比べると7割の水準まで回復する見込みで、昨年の春休みと比べて4割増の利用者となっている。3月26日(土)のANA国内線は1日で約9万人が利用した。方面別では九州・沖縄方面が好調であり、春休み期間に246便の臨時便を運航する。小山田氏によると出張などのビジネス需要よりも旅行需要での国内線利用の回復傾向が強いとのことだ。そのようなことから、人気の羽田―石垣線、羽田―宮古線に臨時便を設定し、ANAだけで1日3往復の直行便を運航するなど旅行需要が強い路線を強化する方針のようだ。また、JALについても春休み期間は、昨年と比べて5割増の予約となっている。

 私自身、羽田空港で取材を続けていると、まん延防止が解除される方針が固まった3月11日以降、国内線の利用者が増えていることを実感している。新型コロナウイルスの感染者数が多いときには、週末でも羽田空港の駐車場が混雑することはないが、3月19~21日の3連休においては、特に19、20日は朝の早い時間で第1ターミナル、第2ターミナルに直結する四つの駐車場が全て満車になり、入庫するまでに長い時間を要し、飛行機に乗り遅れてしまったケースもあった。羽田空港の駐車場が満車になるのは、年末年始以来だった。

 現在は、国際線が発着する第3ターミナルの駐車場には余裕があることから、早めに空港に到着していれば乗り遅れを回避することは可能であるが、明らかに利用者が増えている。現在は東北新幹線が一部区間で不通となっていることで、普段は羽田空港からの便がない仙台や花巻行きも含めて、東北方面の便は平日、休日問わず多くの人が利用している。これからGWの旅行予約が増える時期になり、ANAでは既にGW期間中(4月28日~5月8日)に264便の臨時便を設定している。

 今よりもさらに新型コロナウイルスの感染者数が減少し、Go Toトラベルの早期再開も含めて、国内旅行に出かけやすい状況になることを願うばかりである。

 (航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
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